部署の空気って、自分ではコントロールしきれないですよね。
異動も簡単にはできないし、「人事ガチャ外れたかも」と思いながらも、明日はまた同じ席に座る。
それでも、毎日同じ顔ぶれと過ごすなら。
どこかで「この部署でよかったな」と思える瞬間を、自分から少しずつ増やしていけたら強いです。
ここでは、環境そのものは変わらない前提で、
ぼくらの側からできる「人間関係を育てる3つの工夫」を一緒に整理していきます。
- 毎日30秒の一言を、少しだけ変える
- 頼み方と頼られ方を、ほんの少し調整する
- 「どこで」人間関係を育てるかのバランスを決める
順番にいきますね。
目次
この部署を「完全外れ」にしないための前提整理
朝、自分の席に座ったとき。
フロアの空気を吸い込みながら、「ここ、当たりだったのかな」とふと考える瞬間があると思います。
- 自由度が高い部署
- 人間関係が穏やかな部署
- 成長チャンスが多い部署
いろんな条件があるけれど、残念ながら配属は選べないことも多いです。
だからこそ、最初に整理しておきたいのは
- 変えられないもの
- 変えられそうなもの
この二つの境目です。
「運」の範囲と、自分の射程
変えられないものは、ざっくりこんなところです。
- 部署のミッションや役割
- 上層部の方針
- 一部の人の性格や価値観
- 業務量や繁忙期の波そのもの
ここに正面から突っ込んでいくと、消耗が大きすぎます。
逆に、完全に変えられないわけではないものもあります。
- 誰とどのくらい話すか
- どんなタイミングで声をかけるか
- どんな一言を足すか
- どの人にどこまで期待するか
この「自分の射程」にある部分を丁寧に扱うと、
同じ部署でも見え方がわずかに変わっていきます。
「この部署でよかった」の中身を言葉にしてみる
人は、「よかった」「よくなかった」をざっくりで感じがちです。
でも、よく考えてみると
- 一人だけでも、気楽に話せる人がいる
- 業務的には、一定の経験が積めている
- 定時で帰れる日がそこそこある
みたいに、「ほんの少しのプラス」も混ざっていたりします。
一度、メモ帳にこう書き出してみるのもおすすめです。
- この部署で、すでに「助かっている」こと
- この部署で、もし育てられたらうれしい関係性
この二つを分けておくと、
後で出てくる3つの工夫をどこに効かせるかが、分かりやすくなります。
「この部署でよかった」と感じやすい人間関係ってどんな状態?
理想の職場像を思い描くと、ハードルが上がりすぎます。
ここで考えたいのは「自分にとって現実的ないい状態」です。
例えば、こんな感じ。
- 何でも話せる相手が、一人でもいる
- 仕事で支え合える小さなペアやミニチームがある
- 部署の外にも、少しだけ味方がいる
完璧に仲良しである必要はありません。
大事なのは「完全に一人ではない」と感じられることです。
何でも話せる「一人」がいる安心
毎日顔を合わせる人たちの中で、
この人には、少しだけ本音をこぼしていいかも
と感じられる相手が一人いるだけで、体感はけっこう変わります。
- 愚痴を並べる相手、ではなく
- しんどいときに「分かるよ」と言い合える相手
その人が部署内でもいいし、隣の部署でもかまいません。
ミニチームの存在
同じ仕事をしている人同士で、
自然と組む場面が出てくることがあります。
- この案件はAさんとよく組む
- このタスクはBさんと手分けすることが多い
こうした「ミニチーム」ができると、
少しずつ気心も知れてきて、「この部署にも自分の居場所がある」と感じやすくなります。
部署の外も含めた「味方の網」
部署の中だけに頼ると、行き詰まったときに逃げ場がなくなります。
- 他部署の同期
- 前の部署で一緒だった人
- 社外の友人
こうした人たちも含めて、「味方の網」をイメージしておくと、
今の部署も、その網の一部として見えてきます。
ここから先は、
こうした関係性の種を育てていくための「3つの工夫」を具体的に見ていきますね。
工夫1:毎日30秒でできる「一言」を少しだけ変える(チェック表つき)
人間関係を良くしようとすると
もっと話しかけないと
もっと雑談しないと
と、急にハードルが上がりがちです。
でも実際のところ、効いてくるのは
長時間の雑談よりも「頻度の高い、短い一言」です。
今の自分のスタイルを見てみるチェック表
まずは、今の自分の関わり方を軽く見てみましょう。
当てはまるかどうか、感覚でチェックしてみてください。
| 項目 | 当てはまる | あまり当てはまらない |
|---|---|---|
| 出社時の挨拶が、日によって声に出たり出なかったりする | ||
| 自分から話しかける内容は、ほとんど業務連絡だけになっている | ||
| 感謝を伝えたい場面でも、「わざわざ言うほどでもない」と飲み込みがち | ||
| 名前を呼んで話しかけることが少なく、「すみません」から入ることが多い | ||
| 話しかけるタイミングが分からず、結局何も言えないまま席に戻ることがある | ||
| 相手から話しかけられたとき、笑って受け流してすぐ会話を切り上げてしまう |
なんとなくでいいので、
- 当てはまるが多い
- 半々くらい
- あまり当てはまらない
どのあたりかを見てみてください。
ここから、「今日から一つだけ変えてみる一言」を選んでいきます。
今日から試せる30秒の一言
例えば、こんな感じの一言です。
- 挨拶に、五文字だけ足す
- 「おはようございます」
→ 「おはようございます、昨日の件ありがとうございました」
- 「おはようございます」
- 感謝を一文で言い切る
- 「さっきのフォロー、本当に助かりました」
- 名前をひと言添える
- 「田中さん、先ほどのメールの件なんですが…」
たったこれだけでも、
相手の中の「あなたに対する印象」が、じわっと塗り替わっていきます。
ここまで読めたら、
明日ひとつだけでいいので、上のどれかを試してみてください。
完璧にやろうとしなくて大丈夫です。
工夫2:「頼み方」と「頼られ方」を少しだけ変える
次に効いてくるのが、「仕事のやり取り」の中身です。
- 何でも自分で抱え込んでしまう
- 逆に、依頼の仕方がちょっと急で、相手を戸惑わせてしまう
こうしたクセは、人間関係が育ちにくい原因になりがちです。
抱え込みすぎると、関係は育ちにくい
まじめな人ほど、
迷惑をかけたくない
忙しそうだから頼みにくい
と思って、仕事を抱え込みます。
短期的には「できる人」に見えるかもしれません。
ただ、長い目で見ると
- 相手はあなたの苦労に気づけない
- 手伝うタイミングも分からない
という状態が続きます。
結果として、「一緒に戦った感」が生まれにくくなるんですね。
頼み方のテンプレを一つ持っておく
頼み方は、テンプレを一つ覚えておくだけでかなり楽になります。
例えば、こんな形です。
- 状況を一文で伝える
- 何をどこまでお願いしたいかを短く言う
- 期限か目安を添える
- 最後にひと言、感謝を足す
「明日の午前中までにA資料を仕上げたいのですが、
この部分だけ確認をお願いしてもいいでしょうか。
お時間使わせてしまってすみません、助かります。」
これくらいで十分です。
頼られたときの返し方で信頼を育てる
逆に、頼られたときの返し方も大事です。
- 「大丈夫ですよ」と一言添える
- すぐに対応できないときは、着手できる時間を伝える
- 対応後に「こんな感じで進めておきました」と一言返す
たったこれだけで、
この人に頼んでよかったな
という感覚が、相手の中に残ります。
今日ひとつだけやるとしたら、
誰かから依頼が来たときに「大丈夫ですよ、◯時までには見ておきます」と
一文だけ添えてみてください。
工夫3:「どこで」人間関係を育てるかを比べて決める(比較表つき)
ここまでの二つは、主に「部署内」での話でした。
でも、現実には
- 部署内で深い関係を育てたい人
- 部署内はミニマムに保ちつつ、他部署や社外でつながりを育てたい人
いろんなスタンスがあります。
ここでは、「人間関係を育てる場所」のバランスを比べてみます。
三つのスタンスを並べてみる
ざっくり分けると、こんな感じです。
| スタンス | メインの育てどころ | 特徴 |
|---|---|---|
| A 部署内集中型 | 今の部署の同僚・上司との関係 | 日々の安心感が増えやすいが、環境に左右されやすい |
| B バランス型 | 部署内と他部署を半々くらい | 「ここそこそこの居場所+社内ネットワーク」が育つ |
| C 部署外重視型 | 他部署・前部署・社外のつながり | 今の部署が合わなくても、全体としてのつながりは広がる |
どれが正解、と決める必要はありません。
大事なのは、「自分は今、どこに比重を置きたいか」を自覚しておくことです。
部署内・他部署・社外、それぞれのざっくりしたメリット/デメリット
少し細かく見てみましょう。
| 育てどころ | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 部署内 | 日々の安心感が増えやすい/相談しやすい人ができる | こじれると毎日がしんどくなる/異動で関係が切れやすい |
| 他部署 | 自分の評価を見てくれる人が増える/異動のチャンスにつながりやすい | 意識しないと接点が生まれにくい |
| 社外 | 空気の違う話が聞ける/視野が広がる | 仕事の直接的なやりやすさにはすぐ反映されない |
例えば、
- 今は部署内での安心感が欲しい
→ A寄りかB寄りに比重を置く - 今の部署には最低限でいいから、将来に備えたつながりが欲しい
→ BかC寄りを選ぶ
こんなイメージで選んでみてください。
迷ったときのおすすめスタンス
もし迷うなら、
ぼくのおすすめは「B バランス型」です。
- 部署内では、工夫1・工夫2を使いながら小さな関係を育てる
- 他部署や社外では、月に一回でもいいので誰かとやり取りしておく
こうしておくと、
- 「この部署でよかった」と思える瞬間も拾いつつ
- もしものときに外へ動ける余白も残しつつ
というかたちで、自分の心の逃げ道を確保しやすくなります。
よくある悩みQ&A:「頑張っても人間関係が育たない気がするとき」
ここからは、よく出てきそうなモヤモヤを
一問一答で拾っていきますね。
Q1 小さな働きかけをしても、反応が薄いときはどう考えればいいですか
A
反応が薄いとき、
つい「自分が嫌われているのかな」と思ってしまいますよね。
ただ、相手側の事情で
- そもそも表情があまり変わらない人
- 今は仕事でいっぱいいっぱいの人
という可能性も普通にあります。
なので、
- すぐに結果を求めず、「3週間くらいは観察期間」と決める
- 反応のよさでなく、自分の「あり方」が整っているかを見る
という目線でいてもらえたらと思います。
Q2 距離を縮めたい相手と、そうでない相手の線引きが難しいです
A
全部の人と仲良くなる必要はありません。
- 一緒にいる時間が長い人
- 仕事で組むことが多い人
- 一緒にいると、自分の素の部分が少し出せる人
まずはこのあたりから「距離を縮めたいゾーン」として見て、
それ以外は「最低限ていねいに接するゾーン」と分けて考えてみてください。
Q3 無理に笑顔でい続けるのがつらくて、表情が固くなってしまいます
A
ずっとニコニコしている必要はありません。
むしろ、それで疲れきってしまったら逆効果です。
- 無理に笑うのではなく、「目線を合わせてひと言」を意識する
- 表情よりも、言葉の中身を丁寧にする
この二つに絞るだけでも、印象はかなり変わります。
Q4 一度気まずくなった相手に、今さら話しかけるのが怖いです
A
一度空気が悪くなると、距離を詰めるのはたしかに怖いですよね。
そんなときは、
- まず業務連絡から、淡々と話す
- タイミングを少しあけてから、「この前は失礼しました」とひと言だけ添える
これくらいのリセットでも、十分です。
関係修復は「ドラマチックに謝る」必要はなくて、
淡々としたやり取りを重ね直すところから始めて大丈夫です。
Q5 職場の人間関係に期待しない方が楽なのでは、と感じてしまいます
A
たしかに、「期待しすぎない」というのも一つの自衛です。
ただ、完全に期待をゼロにしてしまうと、
自分からの働きかけもゼロになってしまいます。
ぼくは、
- 期待は低め
- 行動は小さく続ける
この組み合わせがちょうどいいのかなと思っています。
Q6 「この部署にいてよかった」と思える日が来なかったとき、自分の努力は無意味だったのでしょうか
A
無意味ではないと思います。
なぜかというと、
- 挨拶や一言の工夫
- 頼み方・頼られ方
- 関係をどこで育てるかの感覚
これらは、部署が変わっても、会社が変わっても、ずっと使えるからです。
もし最終的に「やっぱりこの部署は合わなかったな」と感じたとしても、
そこで練習したことは、次の場所でちゃんと自分を守ってくれます。
まとめ:「この部署にいてよかった」を、自分から少しずつつくる
最後に、ここまでの話を小さくまとめます。
- 環境そのものはすぐには変えられないけれど、「誰とどう関わるか」は自分の射程にある
- 「この部署でよかった」と感じやすい状態は、完璧な職場ではなく、「完全に一人ではない」と思える関係があること
- 工夫1:毎日30秒の一言を少しだけ変えることで、印象と空気がじわっと変わる
- 工夫2:頼み方と頼られ方を調整すると、「一緒にやっている感」が育っていく
- 工夫3:部署内・他部署・社外のどこに比重を置くかを決めると、自分の居場所感が増える
全部を一気にやる必要はありません。
今日ひとつだけ選ぶなら、
ぼくからのおすすめはこれです。
- 明日、出社したときに
「おはようございます」に五文字だけ、何か一言を足してみる
それだけでも、
あなたの中の「この部署での自分」の感覚が、
ごくわずかでも動き始めます。
環境はすぐには変わらなくても、
そこで過ごす自分の人間関係は、
少しずつ自分の手で育てていけます。





