立ち向かうと景色が変わるのは、外の世界が突然ドラマチックに変化するからではありません。
まず先に変わるのは、ぼくたちの目のピントと、世界の切り取り方です。
いま、向き合うべきことから視線をそらし続けてきた自覚があって、胸のあたりがじわっと重くなっているかもしれません。
その重さを抱えたままでもかまわないので、この先を読みながら、少しずつピントを合わせ直していきましょう。
ここを読み終える頃には、「全部に立ち向かう」必要はなくて、「一つだけ選んで一ミリ動けばいい」という感覚になっているはずです。
目次
結論 立ち向かうと変わるのは、まず自分の見え方です
朝、通勤電車の窓に映る自分の顔が、いつもより少しだけ疲れて見えることがあります。
やるべきことも、人間関係のしんどさも、将来の漠然とした不安も、全部まとめて肩に乗っているような感覚です。
こういうとき、ついスマホの画面に逃げ込んで、頭を空っぽにしてやり過ごしたくなりますよね。
ここで一つだけ確認しておきたいのは、立ち向かうとは「急に全部を片付ける」ことではない、ということです。
立ち向かうとは、世界に対して力技で挑む前に、自分のピントを一段だけ変え直す動きに近いです。
たとえば、同じ仕事でも、昨日は「怒られないため」だけに向き合っていたのが、今日は「ここまでできれば十分」というラインを自分で決めて取り組んでみる。
やることは大きく変わっていないのに、感じる景色は少し違って見えます。
立ち向かうと景色が変わる理由を、先にシンプルにまとめるとこうなります。
- 自分で選んだ一歩を踏み出すと、「やらされている」から「選んでいる」に視点が変わる
- 行動のサイズを小さくすると、「終わらない不安」から「終わりが見える安心」に変わる
- 一度でも終わらせた経験ができると、同じ景色が「圧」ではなく「再現できる場所」に見えてくる
外側の環境が変わる前に、内側の解釈が変わる。
そして、その解釈の変化が、後から周りとの関わりや結果を少しずつ塗り替えていきます。
ここからは、いきなり頑張る話ではなくて、
どこから手を付ければいいか分からない状態から、
今日一つだけ選んで、一ミリ動くための整理を一緒にしていきますね。
なぜ立ち向かうと景色が変わるのか、仕組みを言葉にしてみる
怖いものや面倒なものから逃げたくなるのは、とても自然な反応です。
ぼくたちの頭は、危険や不快そうなものを避けて、生き延びようとします。
だからこそ「避けたい」と感じるのは、むしろ正常な動きです。
ただ、一つ問題があって、頭は「まだ起きていない未来」に対しても同じように警報を鳴らしてしまいます。
明日の会議、今週中の締め切り、将来のお金の不安。
まだ起きていない出来事なのに、すでに全てが手遅れになりそうな気がして、体が固まってしまう。
立ち向かうという行為は、この自動的な警報に対して、
「本当にここまで怖がる必要があるのか」を検証する動きに近いです。
逃げ続けていると、脳の中では「向き合わないまま不安だけ大きくなるループ」が回り続けます。
一方で、小さくても自分から一歩踏み出すと、「やってみたら、思っていたほどではなかった」という実感が一つ増えます。
この「思っていたほどではなかった」という感覚が、景色を変えます。
同じ職場、同じ人、同じタスクでも、
脳内での「未知の恐怖」のラベルが外れて、
「一度やれたこと」に塗り替わっていくからです。
逃げる 守る 立ち向かうを、感情と行動で切り分けてみる
ここで一度、言葉を丁寧に分けておきます。
逃げる
守る
立ち向かう
この三つは、似ているようでまったく違う動きです。
逃げるは、
見ないようにしているあいだに、
相手や状況の方から自分の領域にどんどん入り込んでくる状態に近いです。
頭の片隅でずっとざわざわが残り続けます。
守るは、
あえて距離を取り、自分の体力や心を保つためにラインを引く動きです。
たとえば、
明らかに理不尽なお願いに対して断ることや、
今の体力では危険な挑戦を見送ることも、守る側の選択です。
立ち向かうは、
逃げでも、無防備でもなく、
守りながら自分から一歩だけ前に出る動きです。
相手のペースではなく、自分のペースで、
「ここからここまでやる」と決めて近づいていく。
この三つをごちゃまぜにしてしまうと、
必要な休息まで「逃げてしまった」と感じて自分を責めたり、
逆に、本当に向き合いたいものまで「守り」と言い訳して先延ばししてしまいます。
大事なのは、
逃げる
守る
立ち向かう
この三つを自分の中で見分けられるようになることです。
見分けられるようになると、
同じ景色の中でも、「いま自分はどの選択をしているのか」がはっきりしてきます。
少し向き合っただけで世界の輪郭が変わった瞬間
ぼく自身、ずっと逃げていたことがありました。
働き方のこと、人との距離の取り方、自分の作品を外に出すこと。
どれも、頭では向き合った方がいいと分かっていましたが、
怖さが勝って、長いあいだ見て見ぬふりをしていました。
あるとき、さすがにこれ以上は無理だなと思って、
全部に立ち向かうのはやめて、
「今日は一つだけ、これだけ触る」と決めた日がありました。
具体的には、
ずっと未読のまま放置していたメッセージに、一通だけ返す。
それだけです。
それまで、そのメッセージが届いている通知を見るだけで胸がきゅっとなっていたのに、
返信を終えた瞬間、画面の光の感じが少し変わって見えました。
世界が劇的に変わったわけではないのに、
部屋の空気や、自分の体の重さが少しだけ軽くなった感覚があって、
「あ、自分でちゃんと一歩踏み出せるんだ」と思えたのを覚えています。
その日から、同じアプリの通知が、
「責められているような光」ではなく、
「自分で処理できるもの」のように見え始めました。
この小さな変化が、
ぼくにとっての「景色が変わった瞬間」でした。
あなたにも、似たような経験がきっとあります。
やる前は地獄みたいに思えていたことが、
やってみたら想像より短時間で終わったり、
相手が思っていたより柔らかく受け止めてくれたりしたこと。
あのとき、目の前の景色も、心の中の景色も、
少しだけ違う輪郭で見えなかったでしょうか。
ここから先は、その「輪郭が変わる瞬間」を、
意図して起こすための整理をしていきます。
まずは今の自分を整える 立ち向かう対象をはっきりさせる
忙しいときや疲れているときほど、
「何がしんどいのか」が分からなくなります。
仕事も人間関係も将来も、
全部が一色に溶けて見えて、
どこから手を付ければいいのか分からない。
そんなときに、
「立ち向かおう」と思っても、
ターゲットがぼやけているので、
一歩目がどうしても重くなります。
なのでまず、
いまの自分の状態を、
簡単なチェックから整理してみましょう。
ここを整えるだけでも、
少し呼吸がしやすくなるはずです。
最近のしんどさを棚卸しする三つの問い
静かな場所か、
少し落ち着けるタイミングで、
スマホのメモや紙を一枚用意してみてください。
完璧に書く必要はないので、
思いついた言葉をそのまま置いていくイメージで大丈夫です。
こんな問いを、自分に投げかけてみます。
- 最近、いちばん頭に浮かぶモヤモヤは何か
- そのモヤモヤを思い出すとき、体のどこが一番反応しているか
- 一年後、同じ状態が続いていたら、何に一番後悔しそうか
たとえば、
仕事のことを考えると胃のあたりが重くなるなら、
仕事が主要なテーマかもしれません。
人との会話や既読スルーを思い出すと胸がざわつくなら、
人間関係が中心にいるのかもしれません。
未来のお金のことを考え始めると頭が熱くなって眠れなくなるなら、
将来への不安が主役になっているのかもしれません。
どれが正解という話ではなくて、
「自分の中で一番音量が大きいモヤモヤはどれか」を、
一度外に出してみることが大事です。
今日向き合うテーマを決めるチェック表
ここで一度、
今日の自分が立ち向かう対象を一つに絞るためのチェック表を置きます。
当てはまるところに心の中で印を付けてみてください。
最近のモヤモヤ整理チェック表
| 項目 | よく当てはまる | どちらかといえば当てはまる |
|---|---|---|
| 仕事のことを考えると、休日でも心が休まりにくい | ||
| メッセージや通知を見る前から、胸のあたりがざわつく | ||
| お金や将来を考え始めると、夜に眠りにくくなる | ||
| 誰かの顔が頭に浮かぶだけで、肩に力が入ってしまう | ||
| やりたいことや夢を思い出すと、同時に罪悪感も湧いてくる | ||
| この一年で、一度も自分のためだけの時間を確保できていない感覚がある | ||
| 最近、自分が何に疲れているのか分からなくなる瞬間が増えた |
チェックが多かった項目が、今のあなたの主なテーマです。
一つに絞り切れないときは、
「一年後に同じ状態が続いていたら一番後悔しそうなもの」を選んでみてください。
それが、今日一緒に扱う「立ち向かう対象」になります。
ここまで読めたなら、ひとまず、
「全部まとめてどうにかしよう」とする必要はもうありません。
このあと進むときは、
選んだ一つのテーマだけを、そっと前に置いておいてください。
今立ち向かうべきか、後回しにしていいかを見分ける
選んだテーマに対して、
一つだけ確認しておきたいことがあります。
それは、
今このタイミングで立ち向かうべきか、
少し後回しにしても大丈夫か、
という見極めです。
判断の目安として、
次の三つを眺めてみてください。
- 放置すると、誰かの安全や生活に直接関わりそうか
- このテーマが、他の問題の根っこになっていそうか
- 少し手を付けるだけでも、心のざわざわが和らぎそうか
安全に関わることや、
明らかに期限があるものは、
できる範囲で優先した方が安心です。
逆に、
今取り組んでも結果がすぐには変わらないものや、
どう考えても体力が追いつかなそうなものは、
一時的に距離を置く選択もありです。
立ち向かうべきかどうかは、
他人の基準ではなく、
自分の体と心が支えられる範囲で決めていいです。
そのうえで、
次の章で一度、
三つの選択肢を並べて比べてみましょう。
三つの選択肢を並べてみる 逃げる 一時退避 立ち向かう
ここまでで、
今日向き合いたいテーマを一つ選んで、
今立ち向かうかどうかの目安も眺めました。
次は、
現実的な選択肢としての三つを並べてみます。
逃げる
一時退避
立ち向かう
それぞれの違いを、
短期と少し先の未来の両方から見てみましょう。
三つの選択肢の比較
| 選択肢 | 今すぐの楽さ | 一ヶ月後の自分 | 体力と心への影響 | 周りとの関係 | 未来の選択肢 |
|---|---|---|---|---|---|
| 逃げる | とても楽に感じる | 問題が大きくなって戻ってくる可能性が高い | 常に頭の片隅でざわざわが続き、じわじわ消耗する | 事情を知らない周りには伝わらず、誤解されることもある | 短期的には楽だが、選べる道が少しずつ減っていく |
| 一時退避 | いったん楽になる | 体力が戻れば、前より落ち着いて考えられる | 意識的に休めば、回復につながる | 伝え方次第で理解を得られやすい | 回復後に改めて選択し直す余地が残る |
| 立ち向かう | 最初の一歩は重い | 小さくても「やり切った経験」が残り、自信のかけらになる | 短期的には疲れるが、終わった後の軽さが大きい | 誠実さや本気度が伝わりやすくなる | できることが一つ増え、将来の選択肢が少し広がる |
ここで大事なのは、
どれか一つだけが正義、という話ではないことです。
限界まで疲れているときに、
あえて立ち向かうより、
一時退避を選んだ方が、
長い目で見て自分を大切にできる場合もあります。
ただ、
逃げるを無意識に選び続けると、
未来の選択肢が少しずつ減っていくのも事実です。
ぼく自身も、
何度も逃げてきた結果、
後でまとめて向き合わなければならなくなり、
かなりしんどい思いをしたことがあります。
だからこそ、
自分の状況を眺めながら、
今日はどの選択を意図的に選ぶのかを、
静かに決めていくことが大切です。
ここで、ぼくから一つだけ提案させてください。
もし、
いまのあなたに、
最低限の休息と、
少しだけ動けるだけの体力が残っているなら、
今日の記事の中では、
一時退避と立ち向かうを組み合わせる前提で読んでみてほしいです。
休むところは休みながら、
それでも一ミリは前に出る。
そのバランスを一緒に探していきましょう。
ぼくならこう選ぶ ケース別の目安
ここからは、
先ほどの比較を踏まえて、
ケースごとにぼくならどう選ぶかを、
一つの例として置いておきます。
仕事でのプレッシャーが強すぎるとき、
まずは一時退避として、
- 休みを取る
- 業務量を上長に相談する
- 締め切りの再調整をお願いする
こういった動きを先に選びます。
そのうえで、
今日一つだけ、
「一番気になっているタスク」を、
途中まででも進める時間を取る。
これが、立ち向かう側の一歩です。
人間関係で消耗しているときは、
いきなり本音をぶつけるのではなく、
一時退避として、
- 距離を少し置く
- 連絡頻度を減らす
- 信頼できる第三者に話を聞いてもらう
こうした動きから始めてみます。
そして、
落ち着いたタイミングで、
短い一文だけ、
自分の気持ちを相手に伝える。
これが、立ち向かう一歩になります。
夢や創作のように、
今すぐ結果が出ないテーマの場合は、
逃げるが癖になりやすいです。
ぼくも、音楽や創作を、
「いつかやる」と言い続けて、
何度も先延ばししてきました。
この場合は、
一時退避ではなく、
あえて立ち向かうを小さく選ぶ方が、
心のざわざわが減りやすいです。
たとえば、
- 今日は五分だけネタを書き出す
- 一行だけ文章を打つ
- 参考になる作品を一つだけ見てメモを取る
そういうレベルの立ち向かい方です。
ここまで読んで、
自分はどのテーマで、
どの選択を取りやすいのか。
なんとなく輪郭が見えてきたでしょうか。
このあと、
一ミリの立ち向かい方を、
具体的な行動に落としていきます。
今日からできる 一ミリの立ち向かいを作る
立ち向かうといっても、
いきなり人生を変えるような大決断をする必要はありません。
むしろ、
小さな行動を積み重ねていく方が、
現実的で、続きやすくて、
結果的に景色を変えやすいです。
ここでは、
行動を小さく分けるコツと、
自分に合った立ち向かい方を選ぶためのチェック表を用意します。
行動を小さく分解する三つのコツ
一つ目のコツは、
時間を区切ることです。
「終わるまでやる」のではなく、
- 十分間だけやる
- 二十分だけ集中する
と決めて始めてみる。
時間を区切ると、
頭の中の「終わらないかもしれない不安」が少し弱まります。
二つ目のコツは、
タスクを分割することです。
資料作成なら、
- 構成だけ決める
- 一枚目だけ仕上げる
- 見出しだけ書き出す
というように、段階を細かく分けます。
メールなら、
最初の挨拶と一文目だけ書く。
返信の送信は後に回してもかまいません。
三つ目のコツは、
準備行動も立ち向かいに含めることです。
たとえば、
- 相談したい相手の候補をメモに書く
- 必要な情報をブックマークしておく
- 明日の朝にやるタスクを付箋に書いておく
こうした準備も、
立ち向かうための大事な一歩です。
立ち向かうとは、
本番の行動だけではなく、
本番を少しでも軽くする準備を含めた全体を指します。
その感覚を持てると、
今日できる一歩が増えていきます。
自分の立ち向かい方タイプを知るチェック表
人によって、
動きやすい立ち向かい方は違います。
コツコツ積み上げる方が合う人もいれば、
一気に集中して片付ける方が気楽な人もいます。
ここで、
自分の傾向をざっくり掴むためのチェック表を置きます。
立ち向かい方タイプチェック
| 項目 | 当てはまる |
|---|---|
| 小さくても毎日続ける方が、たまにまとめてやるより安心する | |
| 締め切りが近づくと、追い込まれた方が逆に集中できる | |
| 誰にも宣言しないと、やらずに終わることが多い | |
| 静かな場所より、少しざわついた場所の方が作業が進みやすい | |
| 完璧に終わらせるより、「今日はここまでやった」と区切れた方が気が楽だ | |
| 気分が乗っている日に、一気に進めたくなることが多い | |
| 環境を整えないと、なかなか手を付けられないと感じる |
チェックが多かった感覚から、
自分のタイプをゆるく決めてみます。
- コツコツ型
毎日少しずつ進める方が安心する人 - 一気型
追い込まれた方が集中しやすい人 - 環境調整型
場所や時間、宣言などの整え方で動きやすさが変わる人
タイプはどれか一つに決めなくて大丈夫です。
自分の傾向を知っておくと、
立ち向かうときの作戦が立てやすくなります。
たとえば、
コツコツ型なら、
毎朝五分だけ、
選んだテーマに触れる時間をカレンダーに固定する。
一気型なら、
週末の二時間をブロックして、
その時間だけ全力で向き合う。
環境調整型なら、
誰かに宣言したり、
カフェや図書館に移動してから取り組む。
ここまで読めたら、
一つだけ、
「自分のタイプに合った一歩」をメモに書いてみてください。
それだけでも、
頭の中のモヤモヤが、
少し現実寄りに落ちてきます。
怖さを減らすための準備行動リスト
どうしても怖さが強いときは、
本番に向き合う前の準備だけをやる日があってもかまいません。
準備も立派な立ち向かいです。
たとえば、こんな準備があります。
- 相談したい相手候補を三人だけ書き出す
- 関連する情報を一つだけ調べて、リンクを保存する
- 明日の朝やる内容を、夜のうちにメモしておく
- 必要な書類やデータを、一つのフォルダに集める
- 話すべきことを箇条書きで三つだけ書いておく
これらはどれも、
本番の立ち向かいを軽くするための動きです。
もし迷ったら、
今日は準備だけでもいいか、と自分に許可を出してみてください。
それでも十分、
「逃げっぱなし」からは抜け出しています。
シーン別に見る 立ち向かったあとに変わる景色
ここまで、
立ち向かうと景色が変わる仕組みや、
一ミリの行動の作り方を整理してきました。
次は、
もう少し具体的な生活の場面で、
どんなふうに景色が変わるのかを見ていきます。
仕事に立ち向かったとき 視線と時間の使い方が変わる
仕事での立ち向かいは、
評価や結果がすぐに変わるとは限りません。
むしろ、
最初の数日は、
相変わらず忙しく、
相変わらずプレッシャーが強いことも多いです。
それでも、
自分から一つだけタスクを選んで、
期限より少し早めに着手してみると、
見える景色が変わります。
たとえば、
いつもは締め切り前日の夜に慌てている資料を、
三日前に見出しだけ作っておく。
それだけで、
締め切り前日の自分の表情や、
夜の時間の使い方が変わってきます。
上司や同僚の反応も、
最初は大きく変わらないかもしれません。
それでも、
自分の中で、
「受け身で振り回されている側」から、
「自分で手綱を握っている側」に、
視線が少しずつ移っていきます。
月曜日の朝、
出社するときに感じる重さや、
日曜の夜の憂うつさも、
少しずつ質が変わります。
完全になくなるわけではなくて、
「前よりは大丈夫かもしれない」という感覚が混ざってくる。
この小さな変化が積み重なると、
仕事という景色そのものが、
以前ほど恐ろしい場所ではなくなっていきます。
人間関係に立ち向かったとき 距離感と沈黙の質が変わる
人との関係に立ち向かうのは、
仕事以上に怖く感じることがあります。
嫌われたらどうしよう
壊れたら取り返しがつかないかもしれない
そう思うと、
沈黙を選んだ方が安全に感じるかもしれません。
けれど、
何も言わない沈黙は、
ときに相手にとっても不自然さを生みます。
相手が、
自分のせいだと勘違いして、苦しんでいることもあるからです。
ここでの立ち向かいは、
長い説教や完璧な文章ではなく、
短い一文から始められます。
「最近ちょっと余裕がなくて、うまく話せていなかった」
「前に言われたことが、思ったよりも心に残っていた」
こうした一文を伝えるだけで、
相手の表情や反応が変わることがあります。
その瞬間、
沈黙の質が変わります。
お互いに黙っていた時間が、
距離を広げる沈黙から、
関係を整えるための沈黙に変わっていく。
ぼく自身も、
ずっと我慢していた気持ちを一行だけ伝えたことで、
関係が壊れるどころか、
むしろ楽になった経験があります。
勇気を出して立ち向かった結果、
相手の方も、
自分の本音を少し見せてくれたのです。
人間関係の景色は、
相手を変えることではなく、
自分の出し方を一ミリ変えることで、
予想以上に変わることがあります。
自分の夢や創作に立ち向かったとき 日常の温度が変わる
夢や創作は、
誰かに急かされるものではありません。
だからこそ、
後回しになりやすく、
「いつかやる」と言い続けやすいテーマでもあります。
たとえば、
- 文章を書きたい
- 音楽を続けたい
- 自分のサービスを形にしたい
そう思っていても、
忙しさや不安を理由に、
手を付けられないまま一年が過ぎてしまう。
そのあいだ、
心のどこかでずっと、
小さな罪悪感がくすぶり続けます。
ここでの立ち向かいは、
成果物を完成させることより、
「日常の中にその時間を戻してくること」に重点を置いた方がうまくいきます。
毎週同じ時間に、
カフェで三十分だけ、
- ノートを開く
- パソコンを開く
- 楽器を触る
それだけでも、
日常の温度が変わります。
ぼくも、
忙しさに飲み込まれていた時期に、
朝の短い時間だけ、
自分のための作業時間を取り戻したことがあります。
その日から、
一日の始まりの温度が少し変わりました。
世界の景色が変わるというより、
自分が世界に対してどう立っているかが変わった感覚でした。
夢や創作に立ち向かうと、
すぐにお金や評価になるとは限りません。
それでも、
自分の内側で、
「生きている感覚」が少しずつ戻ってきます。
この感覚こそが、
長い目で見たときの景色の変化そのものだと、ぼくは思っています。
よくある質問と、その答え
ここからは、
よく聞かれそうな疑問を、
いくつかまとめておきます。
読みながら、
自分の状況に近いものを一つ探してみてください。
立ち向かっても状況が変わらなかったら、ただ消耗するだけですか
まず、
立ち向かったのに変わらない、という感覚になったとき、
しんどさが増してしまうのはとても自然なことです。
頑張った分だけ、
報われてほしいと願うのは当たり前です。
ここで少し視点をずらすと、
変わる対象には、
外側の状況と、
内側の自分の二種類があります。
外側がすぐには変わらなくても、
自分の中で、
- やってみても大丈夫だった範囲
- ここまでは耐えられる
という感覚値が更新されていることが多いです。
それでも消耗が大きすぎると感じたら、
一度、
立ち向かい方を小さく調整するのがおすすめです。
- 時間を短くする
- 回数を減らす
- 準備だけをする日にする
こうした調整でも、
立ち向かったことには変わりありません。
もし、
何度やっても状況が変わらないテーマであれば、
そもそもそこにとどまるべきかどうかを見直すタイミングかもしれません。
その場合は、
信頼できる人に状況を共有したり、
専門家に相談するなど、
別の選択肢を検討しても大丈夫です。
体力的にも精神的にも限界ぎりぎりのときは、休んでもいいですか
いいです、というより、
むしろ休んだ方がいいです。
限界を越えた状態で立ち向かい続けると、
判断が雑になったり、
自分や相手を傷つける言動が増えやすくなります。
休むことは、
逃げではありません。
体力と心を守るための、
大切な選択です。
床に倒れ込むように眠ってしまう夜が続いているなら、
まずは睡眠と食事を優先するだけでも立派な一歩です。
そのうえで、
休んだあとに、
もう一度、
どこまでなら立ち向かえるかを見直してみてください。
限界の手前で止まるラインを決めることも、
自分を守りながら進む立派な立ち向かい方です。
立ち向かう対象が多すぎて、どれを優先すればいいか分かりません
たとえば、
- 仕事
- 人間関係
- 将来のお金
- 自分の体
一度に全部が重なっているように感じるとき、
どれを優先すべきか決めるのは本当に難しいです。
そんなときは、
一年後に振り返ったとき、
そのまま放置していたら一番後悔しそうなものはどれか
と問いかけてみてください。
それに加えて、
今の自分でも、
小さな一歩をイメージしやすいテーマを選ぶと、
動き出しやすくなります。
たとえば、
体の不調が強く出ているなら、
まず病院の予約を取ることが優先になります。
人間関係が原因で眠れない日が続いているなら、
短い一文だけでも相手に伝えることが優先になるかもしれません。
どれが正しいかではなく、
いまの自分にとって、
「ここに手を付けたら、他の問題にも良い影響が出そうだ」と感じるものを選んでみてください。
過去に立ち向かって大きく失敗してから、また挑戦するのが怖いです
失敗した記憶があると、
同じ痛みを二度と味わいたくないと感じるのは自然です。
その記憶は、
あなたを守るために働いている部分もあります。
ここで意識したいのは、
前と同じやり方で再挑戦しなくていい、ということです。
たとえば、
- 前回は一人で抱え込んで挑戦して傷ついたなら、今回は誰かに相談しながら進める
- 前回は、一気に大きな目標を狙って折れてしまったなら、今回は、十分の一のサイズで試してみる
過去の失敗は、
何が自分に合わなかったのかを教えてくれる材料でもあります。
それを踏まえて、
安全側に調整した再挑戦なら、
少しずつ怖さを上書きしていくことができます。
周りに逃げているだけと言われるのが怖くて、どう動けばいいか分かりません
周りの言葉は、ときにかなり刺さります。
事情を知らない人からの一言で、
自分の選択を全否定されたような気持ちになることもあります。
ここで大切なのは、
自分の基準と他人の基準を分けて考えることです。
他人は、
あなたの体の状態や、
夜中にどれだけ眠れなかったかを知りません。
その状態での立ち向かいを、
あなたの代わりに引き受けてくれるわけでもありません。
だからこそ、
最終的な基準は、自分の中に置いていいです。
そのうえで、
信頼できる少数の人にだけ、
自分の状況を共有して、意見を聞くのがおすすめです。
大人数の評価より、
あなたの状態を本気で心配してくれる少数の声の方が、
指針としては頼りになります。
立ち向かうべきことか、手放すべきことかの見分け方はありますか
すべてに立ち向かう必要はありません。
中には、手放した方が、自分も相手も楽になるテーマがあります。
見分けるときの目安として、
次のような問いがあります。
- 関わり続けたい気持ちが、自分の中に少しでも残っているか
- 自分が大事にしたい価値と、このテーマが大きくずれていないか
- このテーマを手放したとき、悲しさよりも解放感が大きくなりそうか
関わり続けたい気持ちがほとんどないテーマや、
価値観がどうしても噛み合わないテーマは、
立ち向かう対象ではなく、
手放す対象なのかもしれません。
その場合も、
手放すという立ち向かい方を選んでいる、と捉えてかまいません。
まとめ 景色を変えるのは、今日決める一つの立ち向かい
ここまで読んでくれて、本当にありがとうございます。
長い文章でしたが、
最後にもう一度だけ、大事なところを整理させてください。
立ち向かうと景色が変わるのは、
外側の世界が突然ドラマチックに変化するからではありません。
自分の目のピントが変わり、
世界の切り取り方が少しずつ変わるからです。
そのために必要なのは、次の流れでした。
- いまのしんどさを棚卸しして、テーマを一つに絞る
- 逃げる 一時退避 立ち向かうの三つを見分ける
- 自分のタイプに合った一ミリの行動を選ぶ
- シーン別に、小さな変化を受け取っていく
最後に、選ぶ基準を箇条書きでまとめます。
立ち向かい方を選ぶ基準
- 放置すると安全に関わりそうなことは、できる範囲で優先する
- 一年後に後悔しそうなテーマを、今日の主役として一つ選ぶ
- 体と心の状態を見て、必要なら一時退避を優先してから動く
- 自分のタイプに合わせて、行動のサイズと時間を調整する
- 手放した方が楽になりそうなものは、勇気を持って距離を取る
- 完璧な成果ではなく、「今日はここまで進んだ」という事実を受け取る
- 外側の変化が見えなくても、内側の変化に気づいたら、それをちゃんと褒める
そして、
ここまで読んでくれたあなたに、
ぼくからそっと一つだけお願いがあります。
この記事を閉じたあと、
五分だけ時間を取って、
今日立ち向かうテーマを一つ決めてみてください。
できれば、
そのテーマに対して、
たった一つの行動を書いてみてほしいです。
メッセージを一通だけ返す。
資料の見出しを三つだけ書く。
相談したい人の名前を一人だけメモする。
どんなに小さくてもかまいません。
その五分が、
あなたにとっての「景色が変わる入口」になります。
ぼくは画面の向こうから、
その一歩を静かに応援しています。





