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アファメーションとは?効果・やり方・例文まで、嘘っぽさを卒業する実践ガイド

除夜の鐘が響く夜の神社で、ダークコート姿の若い男性が鐘楼を静かに見つめる横長ポートレート。提灯の灯りと雪、冷気に白い息がにじむ。 Wide landscape portrait of a young man at a Japanese shrine on New Year’s Eve, quietly watching the bell tower during Joya no Kane. Warm lantern light, falling snow, and visible breath in the cold night air.

落ち込んだとき、緊張で頭が真っ白になりそうなとき、あるいは「また続かなかった」と自分を責めてしまうとき。
そんな瞬間に、たった一言で気持ちが少し整った経験はありませんか。

アファメーションは、いわゆるポジティブな言葉を唱えるだけのものではありません。
自分の内側の声(セルフトーク)を整えて、注意の向きと行動を少しずつ変えていくための「言葉の習慣」です。
うまく使えば、気分をごまかすのではなく、現実の一歩を踏み出しやすくなります。

この記事では、アファメーションの意味をやさしく整理したうえで、効果が出やすい使い方、続く文章の作り方、すぐ使える例文、そして逆効果になりやすい注意点までまとめます。
「嘘っぽい」「恥ずかしい」「続かない」と感じている人ほど、現実的に使える形に落としていきましょう。

この記事を書いた人
REI

REI

REI|のらクリエイター・のら主人公

・AI構文・検索最適化・感情設計に精通し、“言葉と構造”で時代を翻訳するクリエイターです。

Kindle著書発売中!『ミリアと仲良くなる方法: REIの魔導手帳に綴られた記録

ともしびの断章 Vol.1──火種を灯す言葉たち

・Webメディア運営14年目

・創作と成長が仕事で生きがい

・自信を積み上げる人生ゲーム

・モチベーションが基本満タンで利子があふれてます

・自由が大好き、ストイックが得意技

・世界中の大図書館を束ねたようなAIの進歩に日々触れ、検索・要約・比較を駆使して知を磨いています。

・AIを活用し、サクラや不透明なレビューを丁寧にチェック。あなたの選択が信頼と安心に包まれるよう、見えないところで整えています。

・I am a Japanese creator.

目次

第1章|アファメーションとはなにか?

アファメーションとは、自分に向けて「望ましい状態へ注意と行動を向けるための言葉」を意図的に使う習慣のことです。
「気分をごまかす言葉」ではなく、頭の中の独り言(セルフトーク)を整えて、目の前の選択を少し良い方向へ寄せていくための方法だと考えると、いちばん誤解が少なくなります。

たとえば、落ち込んだときに「もうダメだ」と繰り返していると、視野が狭くなって行動が止まりやすくなります。逆に「今日は一歩だけでいい」「いま出来ることを一つやる」と言葉を置き換えると、同じ状況でもやれることが見えやすくなります。
アファメーションは、この言葉の切り替えを習慣として持つことで、日々のメンタルと行動を安定させていくアプローチです。

自己暗示・ポジティブ思考とどう違う?

アファメーションが嫌われやすい理由のひとつは、「唱えるだけで現実が変わる」「とにかく前向きに考えよう」といったニュアンスで語られやすいからです。けれど本来は、そこから少し距離があります。

  • 自己暗示は、根拠が薄くてもそう思い込ませる方向に寄りやすい方法です。うまくハマる人もいますが、気分が落ちているときに強い言葉を使うと、かえって反発が起きることがあります。
  • ポジティブ思考は、ネガティブな感情を「ダメなもの」として押し込めてしまうことがあり、結果として心が疲れる場合があります。

アファメーションは、感情を否定するのではなく、「いまの自分でも言える言葉」に整えたうえで、行動につながる方向へ寄せるのがポイントです。
つまり、やることはシンプルで現実に立った言葉を置くだけです。

「言葉で変わる」って、結局なにが変わる?

ここが一番大事なところです。アファメーションが効くとき、起きている変化は魔法ではありません。多くの場合、変わっているのは次の流れです。

  1. 注意が向く先が変わる(何を見て、何を拾うか)
  2. 解釈が変わる(同じ出来事の意味づけが変わる)
  3. 選択が変わる(次に取る行動が変わる)
  4. 繰り返しで習慣になる(続くから、少しずつ現実も動く)

たとえば「私はダメだ」と言っていると、脳はダメな証拠探しに寄りやすくなります。逆に「今日は5分だけ進める」と言うと、5分でできることを探しやすくなります。
同じ自分でも、どこに意識を向けるかで行動は変わる。アファメーションは、そのスイッチを押すための言葉です。

アファメーションを「嘘っぽい」と感じるなら、むしろそれは感覚として正しい面があります。強すぎる理想の言葉は、本音とズレるからです。
だからこそ次章では、嘘をつかずに、続いて、行動につながるアファメーションの作り方を具体的に解説していきます。

第2章|アファメーションの効果(期待できること/できないこと)

アファメーションに期待できるのは、ざっくり言うと 「気持ちを整え、行動を少し前に進める力」 です。
反対に、唱えるだけで現実が突然ひっくり返るような万能の魔法ではありません。効果が出るとしたら、多くの場合は 言葉 → 行動 → 小さな成功 の順に積み上がっていきます。

ここを最初に押さえておくと、変に期待しすぎてガッカリしたり、「効かないから私はダメだ」と自分を責めたりするのを防げます。アファメーションは、うまく使えば地味に強い。地味だからこそ、続く人ほど効いてきます。

期待できる効果1|気持ちの立て直しが早くなる

落ち込みや不安が来たとき、人は頭の中で同じ言葉を反復しがちです。
「どうせ無理」「また失敗する」「自分にはできない」こういう独り言が続くと、心がしんどくなるだけでなく、行動も止まりやすくなります。

アファメーションは、この独り言を無理なく現実に戻す役割を持ちます。たとえば、

  • 「今日は全部は無理でも、1つならできる」
  • 「いまは不安。でも、まず呼吸を整える」

こんなふうに言葉を置けると、感情を否定せずに立て直しのルートへ入りやすくなります。

期待できる効果2|緊張やプレッシャーのコントロールに役立つ

大事な場面で緊張するのは普通です。問題は、その緊張が「失敗しそう」「恥をかきそう」という思考の暴走につながるとき。
アファメーションを場面に合わせた短い合図として使うと、意識をやるべきことへ戻しやすくなります。

  • 「私は落ち着いて、目の前の一つに集中する」
  • 「私は準備した。あとは一歩ずつ」

こういう言葉は、勇気を出すためというより、頭の中の散らかりを片付けるために効きます。

期待できる効果3|習慣化が進みやすくなる

アファメーションが一番活きるのは、実は「やる気」より「習慣」です。
運動・勉強・発信・片付けなど、続けたいのに続かないものって、気合いでどうにかしようとすると続きません。

そこで、行動に直結する形のアファメーションを置きます。

  • 「私は5分だけやる」
  • 「私は始めることを最優先にする」
  • 「私はできた日を増やす」

このタイプは、気分に左右されにくいのが強みです。言葉が行動の入口になるので、続けやすさが上がります。

できないこと

アファメーションは便利ですが、万能にすると破綻します。よくある誤解を先に切っておきます。

唱えるだけで現実が変わる、は基本的に期待しない

「言った瞬間に環境が変わる」ではなく、変化があるとすれば 行動が変わることで現実が少しずつ動く という形です。
ここをすり替えると、効かないときに落差が大きくなります。

本音と真逆の言葉は、逆に苦しくなることがある

たとえば、つらいときに

  • 「私は最高に幸せだ」
  • 「私はいつも前向きだ」

と無理に言うと、心が置いてけぼりになることがあります。
アファメーションは、感情を消すためではなく、感情を抱えたまま一歩進むための言葉。ここを間違えると逆効果になりやすいです。

効果を感じやすい場面・感じにくい場面(一覧)

場面相性理由
朝の立ち上げ/作業前注意と行動の切り替えがしやすい
緊張する本番前やるべきことに意識を戻せる
落ち込みからの回復自己否定ループを断ちやすい
強い抑うつ・生活が回らない言葉より支援・休養が優先になりやすい
「理想の自分」を盛りすぎた言葉本音とのズレで反発が起きやすい

※つらさが強く、睡眠や食事が崩れて生活が回らない状態が続く場合は、言葉だけで抱え込まず、医療機関や専門家への相談も選択肢に入れてください。

アファメーションの効果は、派手ではありません。けれど、毎日使う内側の言葉を整えることは、思っている以上に強いです。

第3章|アファメーションの作り方

アファメーションが続かない一番の理由は、意志が弱いからではありません。
言葉の作り方が、現実と噛み合っていないことがほとんどです。

ここでは、「気合い」「理想」「ポジティブ」を盛らずに、
今日の自分でも使えて、行動につながるアファメーションの作り方を整理します。

基本はこの3つだけでいい

まず押さえるポイントは、たった3つです。

  1. 嘘をつかない
  2. 短くする
  3. 行動に近づける

この3つを満たしていれば、細かい言い回しは完璧でなくて構いません。

嘘をつかない|「言えない言葉」は使わない

ありがちな失敗が、「理想の自分」をそのまま言葉にしてしまうことです。

たとえば、現状がしんどいときに
「私は自信に満ちあふれている」
と言うと、多くの人は心のどこかで引っかかります。

その引っかかりがある限り、言葉は支えになりません。

代わりに大事なのは、いまの自分でも事実として言えるラインまで落とすことです。

  • ✕ 私は自信満々だ
  • ○ 私は不安があっても、一歩は踏み出せる
  • ○ 私は準備を進めることができる

前向きに盛るより、現実に足場を置くほうが、結果的に強くなります。

短くする|頭に残る長さに整える

アファメーションは、考え込むための文章ではありません。
ふとした瞬間に思い出せる短さがちょうどいい。

目安は、ひと息で言える長さです。

  • 私は5分だけやる
  • 私はいま出来ることを一つやる
  • 私は落ち着いて進める

説明が必要なほど長くなったら、削りどきだと思ってください。

行動に近づける|気分より「次の一手」

続く人のアファメーションには、共通点があります。
それは、気分ではなく行動にフォーカスしていることです。

  • 気分型:私はやる気に満ちている
  • 行動型:私はまずPCを開く
  • 行動型:私は5分タイマーを押す

行動に近い言葉ほど、気分の波に左右されにくくなります。

迷ったらこの3つの型を使う

どう書けばいいか迷ったら、次の型から選ぶと失敗しにくいです。

型① 宣言型(方向を決める)

  • 私は今日、◯◯を選ぶ
  • 私は完璧より前進を選ぶ

気持ちが散らかりやすい人に向いています。

型② 行動型(すぐ動く)

  • 私は5分だけ◯◯する
  • 私はまず◯◯を開く

先延ばしが多い人には、この型が一番効きます。

型③ 受容型(自分を責めない)

  • 私は不安があっても大丈夫
  • 私はいまの気持ちを否定しない

落ち込みやすいときの立て直し用に便利です。

作成ワーク|自分用アファメーションを1つ作る

ここまで読んだら、実際に1つ作ってみましょう。
紙でもスマホでもOKです。

  1. いま困っていることを書く
    例:やる気が出ない/不安で手が止まる
  2. どうなったら少し楽かを書く
    例:少しでも進めたら楽
  3. 今日できる最小の行動に落とす
    例:5分だけやる
  4. 短い言葉に整える
    例:私は5分だけ進める

これで十分です。立派な言葉にする必要はありません。

合わなかったら、調整すればいい

使ってみて、

  • 重い
  • 嘘っぽい
  • 逆にプレッシャーになる

と感じたら、失敗ではありません。調整ポイントが見えただけです。

  • 数字を下げる(10分 → 3分)
  • 語尾を柔らかくする(〜する → 〜してみる)
  • 行動をさらに小さくする

アファメーションは固定するものではなく、今の自分に合わせて微調整する道具です。

第4章|すぐ使える例文(目的別アファメーション集)

アファメーションは、自分で作るのが理想ですが、最初は型がないと迷いやすいです。
そこでこの章では、よくある悩みに合わせてそのまま使える例文をまとめます。

選び方のコツはシンプルで、「目的 → 状況 → 言葉」の順に当てはめること。
言葉がしっくりこなければ、語尾やハードルを下げて調整すればOKです。

ポイント:声に出す必要はありません。
恥ずかしい人は心の中で唱える、メモに書く、スマホに保存して読むだけでも十分です。

1) 自己肯定感を整えたい(責めグセを弱める)

自己肯定感のためのアファメーションは、「私は最高だ」と言い切るより、
自分を責めるループを止める方向が続きます。

  • 私は、いまの気持ちを否定しない
  • 私は、不完全でも進める
  • 私は、今日できることを一つやる
  • 私は、できたことを数える
  • 私は、少しずつ上手くなる

調整例(重いと感じるとき)

  • 私は、不完全でも いい
  • 私は、今日できることを 一つだけ やる

2) 不安が強い(心がざわつく/考えすぎる)

不安が強いときは、前向きに盛るより、まずは落ち着くための合図を置くのが効きます。

  • 私は、呼吸を整えて戻ってくる
  • 私は、いま出来ることに集中する
  • 私は、不安があっても一歩できる
  • 私は、考えすぎたら手を動かす
  • 私は、まず1分だけやってみる

調整例(焦りが強いとき)

  • 私は、急がなくていい。まず一つ
  • 私は、いまは整える時間にする

3) 緊張する(本番前/人前/面接/プレゼン)

緊張は悪者ではありません。
このカテゴリのアファメーションは、緊張を消すのではなく、注意を戻すのが目的です。

  • 私は、落ち着いて、目の前の一つに集中する
  • 私は、準備してきた。あとは一歩ずつ
  • 私は、緊張しても、やるべきことはできる
  • 私は、完璧ではなく伝えるを選ぶ
  • 私は、ゆっくり話して大丈夫

調整例(言い切りが苦手なとき)

  • 私は、落ち着いて 進めてみる
  • 私は、ゆっくり話して みよう

4) 習慣化したい(運動・勉強・作業・発信)

習慣化は、モチベより入口の設計です。
このカテゴリは「小さく始める」言葉が強いです。

  • 私は、5分だけやる
  • 私は、始めることを最優先にする
  • 私は、できた日を増やす
  • 私は、ゼロより1を作る
  • 私は、続けられる形に整える

調整例(さらにハードルを下げる)

  • 私は、1分だけやる
  • 私は、とりあえず道具を出す/開く

5) 先延ばしが止まらない(やりたくない/だるい)

先延ばしは、だいたい「開始コスト」が高い状態です。
言葉も、やる気を煽るより、開始コストを下げる方向に寄せます。

  • 私は、まず手をつける
  • 私は、最初の一手だけやる
  • 私は、完璧じゃなくていい
  • 私は、やりながら整える
  • 私は、1ページだけ/1行だけ進める

6) 人間関係で疲れやすい(境界線・気を使いすぎ)

人間関係のアファメーションは、優しさを失わずに自分を守る言葉が有効です。

  • 私は、自分の気持ちを大事にしていい
  • 私は、無理な頼みは断っていい
  • 私は、落ち着いて伝える
  • 私は、相手の感情を背負わない
  • 私は、自分のペースを守る

例文が合わないときの直し方テンプレ

しっくりこないときは、次のどれかを触ると整いやすいです。

  • ハードルを下げる(10分→3分/毎日→週3)
  • 語尾を柔らかくする(〜する→〜してみる)
  • 行動を具体化する(頑張る→タイマーを押す)
  • 受容を足す(不安でも→不安があっても一歩)

第5章|やり方:いつ・どれくらい・どう使う?

アファメーションは、正しい言葉を作るだけでは足りません。
使うタイミングと使い方が合っていないと、「いい言葉なのに効かない」という感覚になりがちです。

ここでは、無理なく続きやすく、効果を感じやすい実践方法を整理します。

いつ使う?おすすめのタイミングは3つ

アファメーションは「気合を入れる瞬間」より、切り替えの瞬間に使うと効きやすいです。

1)朝(1日の立ち上げ)

朝は、思考がまだ固まっていない時間帯です。
ここで短いアファメーションを置くと、その日の行動の向きが決まりやすくなります。

  • 私は、今日できることを一つやる
  • 私は、完璧より前進を選ぶ

布団の中や歯磨き中など、「考えすぎないタイミング」が向いています。

2)作業前・始める直前

やる気が出ないときほど、始める前の一言が効きます。

  • 私は、5分だけやる
  • 私は、まずタイマーを押す

ここでは前向きさより、行動に直結する言葉を選びましょう。

3)寝る前(振り返り・切り替え)

寝る前は、自己否定が出やすい時間帯でもあります。
1日の終わりには、責める言葉ではなく「整える言葉」を置きます。

  • 私は、今日できたことを一つ認める
  • 私は、ここまでやった。あとは休む

そのまま眠れる形が理想です。

どれくらいやる?時間と回数の目安

アファメーションは長くやる必要はありません。

  • 1回:30秒〜1分
  • 1日:1〜3回

これで十分です。
大事なのは量より再現性。毎日続く形を優先しましょう。

「毎日ちゃんとやらなきゃ」と思い始めたら、負荷が高すぎます。

どう使う?3つの実践方法

アファメーションは、声に出す以外にも方法があります。
自分に合うものを選んでください。

方法1|心の中で唱える

いちばん手軽で、人に気づかれません。
短い言葉ほど向いています。

方法2|書いて読む

ノートやスマホメモに書いて、必要なときに読む方法です。
考えすぎる人、頭の中が散らかりやすい人に向いています。

方法3|視界に置く

付箋、スマホの壁紙、PCのメモなど。
「見るだけ」で思い出せる形にすると、意識の切り替えが楽になります。

続く人がやっている小さな工夫

うまく続いている人は、アファメーションを行動のトリガーに結びつけています。

  • 歯磨きのあとに1回
  • PCを開いたら1回
  • タイマーを押す前に1回

「忘れないように頑張る」のではなく、ついでにやるのがコツです。

うまくいかない日の扱い方

続けていると、必ず「やりたくない日」「忘れた日」が出てきます。
それは失敗ではありません。

  • やらなかった → 責めない
  • 重かった → 言葉を軽くする
  • 効かなかった → 行動を小さくする

アファメーションは、自分を管理する道具ではなく、支える道具です。

第6章|逆効果になるケースと注意点

アファメーションは、正しく使えば心と行動を整える助けになります。
ただし、使い方によっては逆にしんどくなることもあります。

ここを先に知っておくと、「合わない=自分がダメ」と誤解せずに済みます。
アファメーションは合う形に調整する道具なので、注意点は弱点ではなく安全装置です。

逆効果になりやすいのは「本音を押し殺す使い方」

一番多いのはこれです。

  • つらいのに「私は幸せだ」と言い続ける
  • 不安なのに「私は平気だ」と押し込める
  • 傷ついているのに「気にしない」と切り捨てる

こういう言葉は、感情を整えるのではなく、感情にフタをしてしまいます。
フタをすると一時的には楽でも、後から反動が来やすい。

アファメーションは、気持ちを消す言葉ではなく、
気持ちを抱えたまま前へ進むための言葉にすると安定します。

  • 私は不安がある。でも、呼吸を整えられる
  • 私は落ち込んでいる。でも、まず一歩はできる

この「でも」の橋があるだけで、言葉が味方になります。

「理想を盛りすぎる」と反発が起きやすい

強い言葉ほどかっこよく見えますが、現状とかけ離れていると心が反発します。
よくあるのが「完璧」「絶対」「いつも」などの言い切りです。

  • 私は絶対に成功する
  • 私はいつも前向きだ
  • 私は完璧にできる

これが合う人もいます。でも、苦しい人には重すぎることが多いです。
続けたいなら、現実に足がつく言葉に寄せた方が強いです。

NG例と修正例

NG(反発・プレッシャーになりやすい)OK(現実的で続きやすい)
私は絶対に成功する私は今日、準備を一つ進める
私はいつも前向きだ私は不安があっても一歩できる
私は完璧にできる私は改善しながら進める
私はもう悩まない私は悩んでも、手を動かせる
私は誰からも好かれる私は自分の境界線を守っていい

「盛る」より「整える」。この感覚があると、言葉は長く使えます。

効かないときは言葉ではなくハードルが高い

アファメーションが効かないと感じるとき、実は言葉の問題ではなく、
その言葉が要求している行動が大きすぎることがあります。

  • 「私は毎日1時間勉強する」→現実が追いつかない
  • 「私は常に落ち着いている」→人間として無理がある

こういうときは、言葉を変えるというより、ハードルを下げるのが正解です。

  • 私はまず5分だけやる
  • 私は落ち着くために呼吸する

できる言葉に落とせば、効き方が変わります。

苦しさが強いときは「言葉より先に休む」が正解

アファメーションが使える状態かどうかは、コンディションにもよります。
眠れない、食べられない、生活が回らないなど、つらさが強い状態では、言葉を頑張るほど消耗することもあります。

その場合は、アファメーションの前に、

  • 休む
  • 誰かに相談する
  • 支援につながる

という選択のほうが大切になることがあります。

※もし「消えたい気持ち」や自傷の衝動がある場合は、一人で抱え込まず、医療機関や相談窓口につながってください。言葉は支えになりますが、命より優先されるものではありません。

第7章|よくある質問(Q&A)

アファメーションはシンプルな方法ですが、やってみると細かいところで迷いが出ます。
ここでは「つまずきやすいポイント」をQ&Aでまとめます。気になるところだけ拾ってください。

Q1. アファメーションって本当に効果ありますか?

効果を感じる人は多いですが、感じ方には個人差があります。
大事なのは「言葉を言った瞬間に何かが起きる」ことではなく、言葉によって注意が整い、行動が変わり、結果が積み上がることです。

たとえば「今日は5分だけやる」と言って実際に5分動けると、それが小さな成功になります。
その成功が続くと、「自分はできるかもしれない」という感覚が育ち、言葉の効き目も強くなります。

Q2. 1日に何回やればいいですか?

目安は 1日1〜3回 で十分です。
おすすめは次のどれか、または組み合わせです。

  • 朝(立ち上げ)
  • 作業前(始める合図)
  • 寝る前(整えて終える)

やりすぎると疲れることもあるので、少ない回数で続く形を優先してください。

Q3. 声に出して言わないとダメですか?

ダメではありません。
心の中で唱える・書いて読む・視界に置くでも問題なく使えます。

恥ずかしさがある人ほど、無理に声に出さず、まずはメモや壁紙など「静かな方法」から始めるほうが続きます。

Q4. 効果が出ないときはどうすればいい?

よくある原因は次の3つです。

  1. 言葉が重すぎる(本音とズレている)
  2. 行動が大きすぎる(要求が高い)
  3. タイミングが合っていない(疲れすぎている)

対策はシンプルで、言葉を軽くします。

  • 絶対 → まずは
  • いつも → 今日は
  • できる → やってみる
  • 30分 → 5分

言葉が現実にフィットすると、効き方が変わります。

Q5. ネガティブな自分が出てくるときは、どうしたらいい?

ネガティブになるのは自然です。
ここで無理に「前向きでいなきゃ」と押し込めると、逆に苦しくなります。

おすすめは、受容を足した言葉にすることです。

  • 私は不安がある。でも、呼吸を整えられる
  • 私は落ち込んでいる。でも、今日は一歩だけできる

気持ちを消すのではなく、気持ちを抱えたまま前に進む形にすると安定します。

Q6. 自分に合うアファメーションは、どう作ればいいですか?

迷ったら、この順番で作ると失敗しにくいです。

  1. いま困っていることを書く
  2. 少しでも楽になる状態を書く
  3. 今日できる最小の行動に落とす
  4. ひと息で言える短さにする

最後に「言えるか?」をチェックしてください。
言えないなら、まだ重い。言えるなら、それが今のあなたに合っています。

Q7. 同じ言葉をずっと使うべきですか?

ずっと固定しなくて大丈夫です。
むしろ、状況に合わせて 微調整するほうが自然です。

  • 気持ちが重い日は「受容型」
  • 先延ばしの日は「行動型」
  • 本番前は「集中型」

アファメーションは自分を変える呪文ではなく、自分を整える道具です。道具は使いやすい形に合わせてOKです。

まとめ|今日から始める「アファメーション」最短ルート

アファメーションは、気分をごまかすための言葉ではありません。
自分の内側の声を整えて、注意と行動を少しずつ前へ向ける言葉の習慣です。

最後に、今日から始めるための最短ルートだけ、ぎゅっとまとめます。

1) まずは「嘘をつかない言葉」を1つ作る

いまの自分でも言えるラインまで落とします。
おすすめは行動型です。

  • 私は5分だけやる
  • 私はまず一手だけ進める

2) 使うタイミングは「作業前」がいちばん簡単

やる気を待たず、切り替えの合図として使います。

  • PCを開いたら
  • タイマーを押す前に
  • 歯磨きのあとに

3) しんどくなったら「受容→一歩」に変える

気持ちを消そうとしない。抱えたまま進む言葉にします。

  • 私は不安がある。でも、まず呼吸を整える
  • 私は落ち込んでいる。でも、今日は一歩だけでいい

4) 続かなかった日は、責めずに軽くする

効かないときは、言葉が悪いよりハードルが高いことが多いです。

  • 10分 → 3分
  • 〜する → 〜してみる
  • 毎日 → 週3でもOK

アファメーションは、派手ではありません。
でも、毎日いちばん近くで自分にかけている言葉が変わると、気持ちも行動もじわっと変わっていきます。

まずは今夜か明日の朝に、ひとつだけ。
「私は5分だけやる」からでも、十分スタートです。

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