どん底から這い上がるだけでは足りない。人生ごと飛ぶための話を、最初に少しだけまとめます。
結論から言うと、ぼくは「元の場所に戻る」よりも「これまでの全部を抱えたまま、別の高さへ飛ぶ」方をおすすめしたいです。
あなたが今どれだけ疲れていても、ここまで読めているなら、そのための地図を一緒に描き直せます。
朝、目覚ましを止めたあと、布団の中で天井を見つめながら仕事に行くか休むかを迷う時間が長くなってきたなら。
スマホで同じ検索ワードばかり打ち込んで、ため息と一緒に画面を閉じる回数が増えてきたなら。
そのしんどさは、もう「ちょっと疲れている」レベルではありません。
ここから先は、前向きな言葉を押し付けるつもりはありません。
どん底のままのあなたと一緒に、無理なく読める速度で、飛ぶための準備を並べていきます。
目次
どん底で無理に這い上がらなくていい理由と、この先に見てほしい景色
夜、コンビニの帰り道に、街灯の下で足が止まる瞬間があります。
「明日も同じことが繰り返されるのか」と考えた途端に、足先から力が抜けて、その場でしゃがみ込みたくなるような感覚。
どん底にいるとき、多くの人は「ここから這い上がらなきゃ」と自分を急かします。
でも、その言葉には一つだけ前提があります。
それは「這い上がる前提の体力が残っている人の話だ」ということです。
限界に近いときに、上だけを見ろと言われると、首が痛くなります。
視界を無理に持ち上げるだけで、頭の中のノイズが増えて、呼吸が浅くなることもあります。
だから最初にぼくが渡したいのは、次の許可です。
今は、這い上がらなくてもいい。
這い上がるとは、「前いた場所」や「世間が良いとする場所」に戻ろうとする動きです。
けれど、どん底まで落ちた経験をしたあとに、同じ場所に戻るのは、実はものすごくコスパが悪い。
戻った先には、もう知ってしまった現実があります。
「ここで頑張り続けても、自分はまた壊れるかもしれない」という記憶。
その上で、自分にムチを打ちながら同じ階段を登り直すのは、ただの再現ドラマです。
ぼくが見てほしい景色は、別のものです。
這い上がるのではなく、どん底を発射台にして、別の高さへ飛ぶという選択肢。
ただ、その話をする前に、一つ大事な前提を揃えておきます。
「飛ぶ」と聞くと、仕事を辞める、関係を切る、遠くへ引っ越す、といった極端なイメージが浮かぶかもしれません。
けれど、ここで話す飛翔は、そういう派手な行動だけを指していません。
もっと静かで、地味で、一見すると周りからは気づかれないような変化も含めた話です。
例えば、家に帰ってからの一時間を、仕事のためではなく、自分のために使うと決めること。
帰り道に寄るコンビニを変えて、無意識のルーティンに小さなズレを入れること。
寝る前の五分だけ、スマホではなくノートを開いて「今日はここまで生きた」と書き残すこと。
どれも派手ではないけれど、こういう小さな変更が、あとから振り返ると「飛翔のスタート地点」に変わっていきます。
だから、今のあなたが動けていなくても大丈夫です。
どん底のままでも読めるように、順番をゆっくりにしていきます。
この先で話すのは、いきなり走り出す話ではなく、「まず立ち上がらない選択も含めた地図」です。
少しだけスクロールしてみてください。
ここから先で、「這い上がる」と「飛翔する」の違いが、だんだんはっきりしてきます。
どん底を発射台に変える。這い上がるのではなく飛翔するという選択肢
どん底にいるとき、頭の中にはだいたい三つの選択肢が浮かびます。
一つは、「とりあえずこのまま耐える」。
もう一つは、「前みたいに頑張れる自分に戻る」。
最後に、うっすらと、「全部投げ出して遠くに行ってしまいたい」という衝動。
どれも、正しいとか間違っているとかの話ではありません。
ただ、ここで少しだけ視点を変えて、「この三つ以外にも道はある」と知っておいてほしい。
ぼくがこの記事で提案したいのは、次のイメージです。
這い上がるルート
前と同じ世界に戻るイメージ。
職場も人間関係も生活パターンも、できるだけ元通りに近づける方向。
現状維持ルート
今の状態のまま、なるべく傷を広げないように、低空飛行を続ける方向。
飛翔ルート
どん底まで落ちた経験を前提にして、そもそも土俵を選び直す方向。
どん底まで落ちたことがある人は、すでに一度、「今までのやり方では無理があった」と体で理解しています。
この経験は、ただ辛いだけの出来事として封印することもできるし、「同じ穴に二度と落ちないためのセンサー」として使うこともできる。
飛翔ルートとは、このセンサーを活かして、
前と同じレールに戻るのではなく、レールそのものを張り替える選択です。
例えば、
残業だらけの働き方から、収入が少し下がっても健康を優先する働き方へ。
「好かれるために無理をする関係」から、「素の自分を出しても崩れない関係」へ。
「評価のために頑張る毎日」から、「自分の価値観で決めた挑戦を少しずつ積む毎日」へ。
どれもいきなり理想にジャンプするのではなく、
「ここまで落ちた自分だからこそ見える危険ポイント」を避けながら、進路を変えていく動きです。
ここで、一つだけはっきりさせておきます。
飛翔は、「全部を捨てる」ことではありません。
今まで積み重ねてきたスキルや人とのつながり、経験から生まれた感覚の中には、これからの自分を守る武器になるものもたくさんあります。
だから、やるべきことは一つです。
捨てるものと、持ち出すものを選び直す。
這い上がるルートは、「持ち出すもの」をあまり吟味せず、とりあえず前いた場所を目指す動きになりがちです。
一方で飛翔ルートは、「何を捨てるか」ではなく「何を持って行くか」を丁寧に選ぶところから始まります。
ここまで読めているなら、あなたの中にはもう、「このままでは無理だ」とうっすら分かっている部分があるはずです。
その感覚は、単なる弱さではなく、これからの人生を設計し直すためのセンサーです。
そのために必要なのが、「自分はいまどこにいるのか」を知ること。
どん底にも段階があります。
次の章では、あなたの今の状態を三つのモードに分けて、一緒に確認していきます。
まずは今どこにいるかを知る。「どん底フェーズ」セルフチェック表
どん底と一口に言っても、その中身は人によってかなり違います。
体が限界に近い人もいれば、体力はあるのに心だけが燃え尽きている人もいる。
何も感じないくらいに麻痺している人もいます。
だから、いきなり「頑張ろう」と言われても、フェーズによってはただの暴力になってしまう。
そこで、ここではどん底を三つのフェーズに分けてみます。
フェーズA 生存モード
今日を生き延びるだけで精一杯の状態。
フェーズB 足場づくりモード
少しだけ、自分の時間や感覚を取り戻し始めている状態。
フェーズC 飛翔モード
現実的な制約を見据えながら、進路を具体的に考え始めている状態。
自分がどこにいるのかを知るために、簡単なセルフチェックを置きます。
当てはまる数が一番多いものが、あなたの今のフェーズです。
どん底フェーズセルフチェック表
次の表を、心の中で○か△か×でチェックしてみてください。
| 項目 | はい | どちらとも言えない | いいえ |
|---|---|---|---|
| 朝、起きた瞬間から一日のことを考えるだけで胃が重くなる | |||
| 食事や睡眠のリズムが崩れ、「ちゃんと休めた」と感じる日がほとんどない | |||
| スマホで同じ悩みを何度も検索するが、具体的な行動は何も始められていない | |||
| 仕事や予定の中に、自分だけの時間がほとんど存在しない | |||
| 将来のことを考えると、不安よりも「何も浮かばない」感覚の方が強い | |||
| 紙やメモアプリに、自分の考えを書き出すことが月に一度はある | |||
| 誰かに弱音を打ち明けた経験が、直近数ヶ月の中に一度はある | |||
| 今の状態が続いた先の未来を、具体的に想像したことがある | |||
| お金や家族、住まいなどの制約を紙に書き出したことがある | |||
| 「このままでは無理だ」という感覚が、少しずつ大きくなっている |
おおよその目安は、こんな感じです。
- フェーズA 生存モード
上から三つの項目に「はい」が多く、下の方の項目はほとんど「いいえ」のとき。 - フェーズB 足場づくりモード
真ん中あたりの項目に「はい」が増え始めているとき。 - フェーズC 飛翔モード
最後の三つの項目に「はい」が多くなってきているとき。
ここで大事なのは、「フェーズが下だからダメ」という話ではないことです。
フェーズAは「弱い状態」ではなく、「今は生き残ることだけに集中していい状態」です。
まず、そこに自分で許可を出してあげることから始まります。
もし今、フェーズA寄りだと感じたなら。
このあと出てくる飛翔の話は、「今すぐやること」ではなく、「あとで読み返すための下書き」として軽く眺めるくらいで大丈夫です。
フェーズBやCにいると感じた人は、自分の状態に合わせて読み進めてみてください。
ここまで読めたあなたは、すでに一つ行動しています。
「自分の状態を言葉にして眺め直す」こと自体が、静かな反撃です。
次は、三つのルートの違いを整理して、これからの選び方の地図を描いていきます。
「這い上がるルート」と「飛翔ルート」、そして「現状維持ルート」を比較してみる
ここからは、さきほど少しだけ触れた三つのルートを、もう少し具体的に見ていきます。
なんとなくのイメージのままだと、「どれを選ぶべきか分からない」という状態のまま時間だけが過ぎてしまうからです。
三つのルート比較表
まずはざっくりとした比較です。
「自分の今の感覚」に一番近い列を、なんとなくでいいので眺めてみてください。
| ルート | 目指す状態 | おおよその期間 | 必要なエネルギー | 主なリスク | 得られるもの |
|---|---|---|---|---|---|
| 這い上がるルート | 前と同じ世界で、少しマシな自分に戻る | 数ヶ月〜数年 | 中〜大 | 同じパターンを繰り返す可能性 | 安定感、周囲からの安心感 |
| 現状維持ルート | 今の生活を大きく変えずに、これ以上悪化させない | 未定 | 小〜中 | ゆっくりと摩耗していく可能性 | 一時的な安心、考えることからの逃避 |
| 飛翔ルート | 土俵を選び直し、別の高さから人生を組み直す | 中期〜長期 | 中〜大(段階的) | 不確実性、周囲の不理解 | 自分基準の選択、後悔の少ない納得感 |
どのルートにも、メリットとデメリットがあります。
どれか一つだけが正解という話ではありません。
大事なのは、今の自分の状態と、この先の数年で「何を一番守りたいのか」です。
例えば、フェーズAの人がいきなり飛翔ルートに全力で舵を切ると、体や心が持たないかもしれません。
逆に、フェーズCに近いのに、現状維持ルートに居続けると、「動かなかった自分」への後悔が少しずつ積もっていくこともあります。
ここで、一つだけぼくから提案があります。
ルートは、一つに決めなくていい。
短期的には現状維持ルートを選びつつ、中期的には飛翔ルートの準備を進める。
生存モードの間は、「這い上がる」ことをいったん保留して、体を守ることだけに集中する。
こうした組み合わせも、立派な選択です。
そしてもう一つ、大事な観点があります。
それは、「誰のためのルートか」という視点です。
- 這い上がるルートは、周囲の安心や期待に応えるためのルートになりやすい。
- 現状維持ルートは、自分をこれ以上追い詰めないための、一時避難所としてのルートになりやすい。
- 飛翔ルートは、「自分が納得できる人生を選ぶため」のルートになりやすい。
どのルートも否定しません。
ただ、どこかのタイミングで「自分のためのルート」を一度だけ選び直すことが、人生ごと飛ぶためには必要になってきます。
次の章では、実際にどんな準備や小さな反逆が、飛翔に繋がっていくのかを見ていきます。
その前に、ここまで読めた自分を、静かにねぎらってあげてください。
どん底から飛翔した人たちがやっていた「静かな準備」と「小さな反逆」
どん底から飛翔した人の話というと、ついドラマチックなエピソードを想像しがちです。
会社を辞めて海外へ、思い切って挑戦、突然の大成功。
でも、実際のところ、現実はもっと地味で、静かで、誰にも気づかれない時間の積み重ねです。
ここでは、フェーズごとに「やってよかったこと」「やらなくてよかったこと」を分けてみます。
あなたの今のフェーズに近いところだけ、重点的に読んでみてください。
フェーズA 生存モードでやってよかったこと
フェーズAでは、とにかく「これ以上削られないようにする」ことが最優先です。
ぼく自身、心も体もガタガタだった時期は、立派な目標を立てるほど逆効果でした。
この段階で役に立ったのは、こんなことたちです。
- 睡眠時間を守るために、夜遅くの動画視聴やSNSを、アラームで区切る
- 食事は完璧を目指さず、「卵とご飯と味噌汁」のような最小セットを決めておく
- 一日の終わりに、「今日だけはよくやった」と小さくつぶやいてから布団に入る
- できなかったことではなく、「やらなかったことで自分を守れたこと」に目を向ける
- どうしても辛い日は、「今日は生き残るだけで満点」と心の中で宣言する
逆に、やらなくてよかったのは、次のようなことでした。
- 大きな決断を今すぐしようとする
- 将来のことを細かくシミュレーションして、自分を追い詰める
- 元気な人たちの発信を無理に追いかけて、自分を比べ続ける
フェーズAは、「飛翔」どころか「歩くこと」ですら負担になるタイミングです。
ここでは、飛ぶ準備をしなくていい。
今日を生きるための力を、少しでも減らさないことが、一番の仕事です。
もしここまで読めたなら、それだけで今日のミッションは半分以上クリアしています。
フェーズB 足場づくりモードでやってよかったこと
少しだけ余裕が戻ってきたら、次は足場づくりです。
この段階で大事なのは、「やる気」ではなく「時間と場所」です。
ぼくがやってよかったのは、例えばこんなことです。
- 一日の中で、自分のためだけの15分を、カレンダーに固定する
- その時間は、何かを頑張るのではなく、思考をメモに吐き出すだけにする
- 「やりたいこと」ではなく、「これだけはもう限界なこと」を先に書き出す
- 仕事や人間関係の中で、「これ以上は削られたくないライン」を一つ決める
- 休日のうち半日だけは、「予定を入れない日」として守る
この小さな15分は、あとから振り返ると、飛翔に直結する種になっていました。
ここではまだ、具体的な行動に移さなくてかまいません。
ただ、「自分のためだけの時間」を、ほんの少しでも自分に返してあげることが、大事な足場になります。
もし今、ここまで読めているなら、「自分のための15分をどこに置くか」を今日だけ考えてみてください。
決めるだけでいいです。実行は明日以降に回してかまいません。
フェーズC 飛翔モードでやってよかったこと
フェーズCまで来ると、「このままでは無理だ」という感覚が、だんだん大きくなってきます。
ここからは、静かな準備と、小さな反逆が効いてきます。
- お金の出入りを、ざっくりでいいので一ヶ月分書き出す
- 仕事を辞めるかどうかではなく、「辞めても大丈夫なライン」を数字で確認する
- 信頼できそうな人に、「完璧ではない相談」を一度だけしてみる
- 「辞めるか続けるか」の二択ではなく、「働き方を変える」「部署を変える」「副業を試す」といった第三の選択肢を洗い出す
- 自分が「本当にしんどくなる状況」と「意外と耐えられる状況」を分けてメモにしておく
ここまでやると、飛翔が一気に現実味を帯びてきます。
この段階で初めて、「じゃあ、どのルートを組み合わせて進むか」を決めていくことができます。
もし今、どこか一つでも「自分にもできそうだ」と感じるものがあれば、そこだけ少しだけ試してみてください。
すべてを一気にやる必要はありません。
一つだけ動かした瞬間から、世界線はほんの少しだけですが、確実にずれていきます。
どん底と飛翔について、よくある質問と答え
ここまで読んできて、頭の中にいろいろな声が浮かんでいるかもしれません。
ここでは、よく出てきそうな問いをいくつか拾って、ぼくなりの答えを添えます。
Q&A
Q1 どん底すぎて、この記事を読む気力もないときはどうしたらいいですか?
まず、その状態をちゃんと自覚できているだけで、すでにかなり頑張っています。
本当にしんどいとき、人は自分の状態を言葉にすることすら難しくなります。
もし今、文字を追うだけでも苦しいなら、全部を理解しようとしなくて大丈夫です。
気になった見出しだけ眺めて、「この一行だけ覚えておくか」と感じたところを、一つ心に置いておくだけで十分です。
フェーズAのときにやることは、「これ以上削られないようにする」ことです。
この記事は、元気が少し戻ってきたときに、また見返してもらえればそれでいい。
いまは、暖かい布団と、少しちゃんとしたご飯と、最低限の休息を優先してください。
Q2 飛翔したいと思うこと自体が、現実逃避みたいで怖いです。
その怖さは、とても健全な感覚です。
現実を見ないまま勢いで動く人ほど、あとで大きく傷つきやすいからです。
ここで話している飛翔は、現実から目をそらすことではありません。
むしろ、「この現実のままでは自分が壊れる」と冷静に認識したうえで、「別の場所で生きる方法」を真面目に考えることです。
逃げと飛翔の違いは、「守りたいものがはっきりしているかどうか」です。
自分の体や心、大事な人たちとの関係を守るための選択なら、それは立派な一歩です。
Q3 家族やお金のことを考えると、環境を変える決断ができません。
この不安は、とても現実的です。
だからこそ、フェーズCのところで書いたような、「数字で見る」「制約を書き出す」作業が大切になります。
いきなり大きな決断をする必要はありません。
例えば、支出の中で「ここだけは削れそう」という項目を一つ見つけるだけでも、心の余白は変わります。
環境を変える決断は、多くの場合、一回のジャンプではなく、何回かの小さなステップの連続です。
今は、その最初の一段目だけを見つけるタイミングかもしれません。
Q4 何度も変わろうとして挫折してきた自分が、また挑戦してもいいのでしょうか。
その問いを持てている時点で、あなたはもう「ただの諦め」には落ちていません。
過去の挫折を覚えているのは、それだけ真面目に向き合ってきた証でもあります。
ここで少しだけ視点を変えてみます。
変わろうとして挫折した回数は、「自分に合わないやり方を見つけてきた回数」とも言えます。
次にやることは、挑戦するかどうかではなく、挑戦の仕方を変えることです。
大きなゴールを掲げるのではなく、「一週間だけ続ける」「誰かと一緒にやる」「やめても自分を責めない」など、挑戦のルールそのものを優しくしてみてください。
Q5 今の仕事を続けながらでも、飛翔の準備はできますか。
結論から言うと、できます。
むしろ、仕事を続けながら少しずつ準備を進める方が、心の安定に繋がる場合も多いです。
大事なのは、「今の仕事を続けるか辞めるか」だけで考えないことです。
勤務形態を変える、部署を変える、副業を試す、学び直しを始めるなど、選択肢は思っているより多くあります。
先に、「飛翔のために必要なお金」「最低限守りたい生活ライン」をざっくり洗い出しておくと、準備の方向性が見えやすくなります。
小さな一歩としては、「今の仕事の中で、自分を一番すり減らしている要素は何か」を一つ書き出してみるところからでも十分です。
Q6 どん底にいる大切な人に、この話をどう伝えればいいでしょうか。
まず、その人をここまで気にかけているあなた自身を、ぼくは尊敬します。
どん底にいる人に言葉を届けるのは、とても繊細なことです。
一つだけ意識したいのは、「相手を変えようとしないこと」です。
この記事をそっと共有するときも、「これ読んだら元気出るよ」ではなく、「ぼくも読んで少し楽になったから、もしタイミング合えばでいいけど」といったニュアンスの方が届きやすくなります。
相手がこの話を受け取るかどうかは、その人自身のタイミングです。
あなたは、隣に座って同じ方向を眺めているだけで十分です。
Q7 自分のどん底は、甘えなんじゃないかと感じてしまいます。
この感覚を抱いている人は、本当に多いです。
「自分よりもっと大変な人がいるのに」と自分を責めてしまう。
けれど、痛みは比較できません。
同じ出来事でも、人によって心への響き方は全く違います。
自分のどん底を甘えだと切り捨てることは、「自分の心の声を無視する練習」をしてしまうことでもあります。
むしろ、「自分は今、こういうところが限界なんだ」と認めることが、飛翔のスタートラインです。
まとめ どん底から飛翔までの地図を一枚にまとめて、今日決めることを一つだけにする
ここまで、かなり長い距離を一緒に歩いてきました。
最後に、話してきたことを一枚の地図として、ぎゅっとまとめます。
どん底は、「マイナス地点」ではありません。
ここまで落ちた経験を持つ自分だからこそ、見える危険ポイントや、感じ取れる違和感があります。
それは、これから先の選択を守るための、鋭い感覚でもあります。
この地図の中で、あなたに覚えておいてほしいポイントは、次の三つです。
- どん底にはフェーズがある
- ルートは一つに決めなくていい
- 飛翔は、捨てることではなく選び直すこと
フェーズAのときは、生き延びることだけに集中していい。
フェーズBのときは、小さな時間を自分に返していく。
フェーズCのときは、現実的な制約を見据えながら、静かな準備と小さな反逆を積み重ねていく。
ルートについては、短期的には現状維持、中期的には飛翔、という組み合わせもありです。
這い上がるか、飛ぶか、どちらか一つだけ選ばなければならないわけではありません。
そしてもう一つ、大切なこと。
あなたには、自分の人生を選び直す自由があるという事実です。
それは誰かに許可をもらう必要のない、静かな権利です。
最後に、「どのルートを軸に進むか」を決めるための基準を、箇条書きで置いておきます。
あくまで、ぼくからの提案として受け取ってください。
- 毎朝、体が動かないほど疲れているなら
無理に這い上がろうとせず、まずは現状維持と生存モードのケアを優先する - 将来を考えると怖いけれど、少しだけワクワクも混ざるなら
小さな時間を自分に返すことから始めて、飛翔ルートの準備に少しだけ足を踏み入れてみる - 今の場所に戻ることを考えると、胸の奥が重くなるなら
前と同じ世界に戻るのではなく、「どんな場所なら自分は息がしやすいか」を紙に書き出してみる - 周りの期待や評価より、自分の納得を優先したいと感じているなら
短期的な安定より、中長期の飛翔を軸にしたルートを検討してみる - 一人で考えると堂々巡りになるなら
信頼できる人に、「結論はいらないけれど、ちょっと話を聞いてほしい」と前置きして、今の気持ちをそのまま話してみる - どうしても決められないときは
今日だけは、「何も決めない」と決めて、体と心を休ませる日にする
そして、今日決めることは、一つだけでいいです。
自分は、どのフェーズにいると感じるか。
それだけ決められたら、十分です。
その答えの上に、少しずつ選択を重ねていけばいい。
どん底から飛ぶというと、派手なジャンプを想像しがちですが、実際は静かな準備と、小さな反逆の連続です。
その連続の先で、ふと気づいたときに、「あの頃の自分とは違う場所に立っている」と思える日がきます。
あなたが、自分の人生を自分のものとして選び直すための余白として、この文章が少しでも役に立てばうれしいです。
たとえ世界がどう揺れても、心の中の小さな翼だけは、いつでも広げ直せます。
その翼をどこへ向けるかを決める権利は、最後まであなたの手の中にあります。
それは、誰にも踏みにじられない、小さくて強い約束です。
その約束を胸のどこかにしまったまま、あなたなりのペースで、あなたなりの高さへ向かっていくことを、ぼくは心から願っています。





