飲み会の翌朝、布団の中で「あの発言、変だったかな」と考えてしまったことはありますか。
初めての職場の飲み会というのは、終わったあとに何かひとつは「うまくやれたかな」と引っかかるものです。その夜は楽しかったはずなのに、帰り道から少しずつ不安が増してくる。「あのとき沈黙したの、気まずかった?」「お酒を断ったとき、顔に出てたかな」。そんな反省が翌朝までつきまとう。
まず伝えておきます。初めての飲み会で完璧にやれる人は、ほとんどいません。
大事なのは、完璧にこなすことではなく、「よくある失敗」を事前に知っておくこと。知っているだけで、その場での行動が変わります。
この記事では、新卒・社会人なりたての人が初めての飲み会でやりがちな失敗パターンと、その場を乗り切るための基本の立ち回りを整理します。「うまくやらなければ」より「これだけ気をつければ大丈夫」という感覚で読んでもらえたら、それで十分です。
目次
初めての飲み会でやりがちな失敗(5パターン)
悪意があってやるわけじゃない。ただ、知らなかっただけでやってしまいがちな失敗があります。これだけ知っておけば、当日の動きがかなり変わります。
失敗1:スマホを触りすぎる
飲み会の席でスマホを触るのは、「ここがつまらない」というサインとして伝わりやすいです。本人にそのつもりがなくても、画面に目が向いている時間が長いと、隣に座っている人からも、上座にいる上司からも、「この場に来たくなかったのかな」と受け取られることがあります。
通知が気になるのはわかります。でも飲み会の間だけは、できれば鞄の中にしまっておく。それだけで、その場にいる意思が自然に伝わります。
どうしても確認が必要な場合は、「すみません、少し失礼します」と一言添えてトイレで確認する。こういった小さな配慮が、最初の印象を守ります。どのタイミングでスマホを出していいかわからない場合は、「出さない」を基本にしておく方が安全です。
失敗2:黙りすぎる、または張り切りすぎる
どちらも、うまくいかない飲み会の典型です。
黙りすぎると、「馴染めていない人」として認識されます。盛り上がっている席で一人だけ壁に背を向けているような状態になる。逆に、張り切って一人でしゃべりすぎると、「場の空気を読まない人」という印象がつくことがあります。特に先輩や上司が話しているときに割り込んでしまうと、あとあと気まずくなることも。
目安は「3聞いて、1話す」くらいのペース。
自分が主役になろうとしなくていい。隣の人の話に相槌を打って、たまに一言返す。それだけで十分に「一緒にいて心地よい人」として機能します。初めての飲み会では、聞く側に回ることの方が、話すことより印象に残ることが多いです。
失敗3:乾杯のタイミングを外す、または作法がわからない
意外と盲点になるのが乾杯の瞬間です。初めての飲み会では「グラスをどの高さで持てばいいか」「いつ飲み始めればいいか」で迷う人が少なくありません。
基本だけ整理しておきます。
乾杯のグラスは、相手よりも少し低く持つのが基本のマナーです。相手が上司や先輩であれば、特に意識する。目上の人より高く持ち上げると、無意識に失礼な印象を与えることがあります。
「かんぱい!」という声が上がったタイミングでグラスを上げ、近くの人とグラスを合わせます。全員と一周する必要はありません。2〜3人と合わせれば十分です。
乾杯のあとは、すぐに飲んでいい。お酒を断っている場合は、ウーロン茶やジンジャーエールでグラスを合わせるだけで問題ありません。飲み物の中身より、一緒にグラスを上げるというその場への参加意思が伝わればいいです。
失敗4:席を決める前に座ってしまう
入店してすぐに適当に座ってしまうと、上座・下座の感覚がない人だという印象を与えることがあります。特に最初の飲み会で、これをやってしまうと少し目立ちます。
入口から遠い席が上座、入口に近い席が下座です。
上座は目上の人、下座は入口に近いため席を立ちやすく、注文や取り分けをする側が座ることが多いです。新人・若手は基本的に下座側に座る、というのが多くの職場での暗黙のルールです。
会場に入ったら、案内があるまで少し待つ。「どこに座ればいいですか」と確認する一言があれば、それだけで「わかっている人」という印象になります。確認する側の方が、間違えて座るよりずっといい。
失敗5:帰り際に何も言わずに抜ける
飲み会の印象は、最後の10分で大きく変わります。
「そろそろ終わりかな」という雰囲気になったとき、何も言わずにそっとその場を抜ける人がいます。気を遣っているつもりかもしれませんが、帰り際の挨拶がないまま消えてしまうと、印象がぼんやりしたままになります。
帰るときは、少し遠回りでも上司や幹事のところへ行って、一言だけ伝える。「今日はありがとうございました。楽しかったです」。それだけで十分です。
この一言があるかないかで、飲み会全体の記憶が変わります。どんな席でも、帰り際に感謝を伝えた人は「ちゃんとした人」として残ります。帰る直前まで場に溶け込んでいた人が、最後の一言を添えて帰る。それが最も印象をよく締める方法です。
飲み会が「苦手」な人ほど、準備で差がつく
飲み会が得意な人というのは、実は「場数を踏んで慣れた人」が多い。最初から得意だった人はほとんどいません。
「自分は人見知りだから」「初対面が苦手で」という感覚がある人でも、準備があれば当日の動きは変わります。準備というのは、ネタを用意することではなく、「最初の一手をどう動かすか」を決めておくことです。
飲み会が苦手な人が感じる不安は、大きく二種類あります。
一つは「何を話せばいいかわからない」という不安。もう一つは「浮いてしまうんじゃないか」という不安です。
前者は、聞く側に回ると決めておくだけで解消されます。話すことを考えなくていい。相手が話していることに耳を向けて、短く返すだけでいい。
後者は、最初の10分だけ乗り切れれば、あとは場の流れに乗れることが多い。飲み会は時間が経つほど全体が緩んでいくので、最初が一番難しい。最初の10分をどう過ごすかだけ、事前に決めておく。
準備は「完璧にやるため」ではなく、「最初の一歩で固まらないため」にある。
そう思うと、飲み会に向かう前の緊張が少し変わります。
飲み会の前に知っておきたい「場の空気のつくり方」
失敗を避けることと、うまくやることは別の話です。失敗しないだけでなく、「また誘いたい」「一緒にいて楽しい」という印象につながる立ち回りを、少し整理しておきます。
飲み会は「話す場」より「聞く場」として入ると楽になる
飲み会が苦手な人の多くは、「何か面白いことを言わなきゃ」「場を盛り上げなきゃ」という義務感を持ちすぎています。
その必要はありません。
実際のところ、飲み会で印象に残る人は、たくさん話した人よりも「この人、ちゃんと聞いてくれているな」と感じさせた人のほうが多い。人は、自分の話を聞いてもらえると気持ちよくなる生き物です。
相手の話に顔を向けて、うなずいて、たまに短い一言を返す。笑えるポイントで笑う。それだけで「一緒にいると心地よい人」という印象がつきます。
飲み会の前夜、「面白いネタを考えよう」より「今日は聞く側に回ろう」と決めておく方が、うまくいく確率が上がります。
最初の10分で、誰かと会話の糸口を一本だけ作る
飲み会が始まって最初の10分が、その場の居心地を決めます。この時間に誰かと一言でも言葉を交わしておくと、その後の時間が格段に楽になります。
最初の話しかけが難しいと感じる人には、いくつかのフレーズを持っておくと便利です。
「今日は何時頃まで予定されてますか?」
「このお店、よく来られるんですか?」
「先ほどのプロジェクトの話、面白かったです」
特別なことを言う必要はない。相手に向かって口を開いた、その一回が最初の扉を開きます。乾杯が終わった直後、注文が落ち着いたタイミングが話しかけやすいです。隣に座った人に一言だけ。それだけでいい。
盛り上がりに乗れなくても「いる態度」で十分
自分が得意でない話題が出ることがあります。スポーツの話、芸能の話、仕事の内輪の話。そういうとき、笑えない瞬間やついていけない場面があっても、それは普通のことです。
大事なのは、そのとき顔を向けているかどうかです。
話の内容についていけていなくても、話している人の方を見て、うなずいているだけで「聞いている人」として映ります。逆に、話題についていけないからとスマホを見始めると、その瞬間に「場から離れた人」として認識されます。
ついていけない話題のときは、話している人の顔を見て、うなずく。それだけで、場にいる意思が伝わります。
上司や先輩との会話で迷ったとき
飲み会の席で、上司や先輩と二人になる瞬間があります。隣に座ることになった、たまたま話が途切れて視線が合った。そういうとき、何を話せばいいかわからなくなる人は少なくありません。
ここで使いやすいのは、「その人がこれまでやってきた話を聞く」という方法です。
「○○さんって、入社当初はどんな仕事をされていたんですか?」
「最初の飲み会って、どんな感じでしたか?」
こういった質問は、相手にとって話しやすい内容で、かつ自分は聞く側に回れます。しかも「この人、ちゃんと興味を持ってくれている」という印象が相手に伝わります。
飲み会の席で「何か気の利いたことを言わなければ」と身構えるより、相手が話したくなる質問を一つ持っておく方が、ずっと楽で、ずっと好印象につながります。聞く質問は一つでいい。あとは相手が話してくれます。
注文と取り分けは「さりげなく」がいい
飲み会の席でさりげなくできると印象がよくなることの一つが、注文と取り分けのサポートです。
ドリンクが減っている人に「何か頼まれますか?」と一言かけるだけで、「気が回る人」という印象が生まれます。全員分を積極的に世話をしようとする必要はない。隣に座っている人のグラスが空になっていたら一言声をかける。それだけです。
料理が来たときも、近くにいる人に「取り分けましょうか」と一言あると自然です。ただし、無理に動き回って場を仕切ろうとすると、逆に空気を読まない印象になることがあります。
気づいたときに、一歩だけ動く。そういう立ち回りが、気づけば「一緒にいて頼もしい人」という印象をつくっていきます。
席・マナー・飲み物の基本チェックリスト
飲み会の前夜に、これだけ確認しておけば当日の焦りがかなり減ります。
| チェック項目 | ポイント |
|---|---|
| 入口から遠い席が上座だと知っている | 案内があるまで席を決めない |
| 乾杯のグラスは相手より低く持つ | 目上の人とのときは特に意識 |
| お酒を断る言葉を一言決めている | 「体質的に合わなくて」で十分 |
| 幹事・上司の名前を覚えた | 帰り際に名前で挨拶できるとよい |
| 帰り際に何を言うか決めている | 「ありがとうございました」だけで十分 |
| 注文をサポートする気持ちがある | 飲み物が減っている人への一言 |
お酒を断ることへの不安がある人は、断り方の言葉をあらかじめ決めておくと楽になります。「体質的にお酒が合わなくて、ウーロン茶でご一緒します」。これだけ決まっていれば、当日その場で考えなくていい。
お酒を断る場面の対処法について詳しく知りたい場合は、「会社の飲み会、お酒を飲まないといけない?」の記事も参考にしてください。
飲み会に向かう電車の中でやること
緊張したまま飲み会の会場に着いてしまうと、最初の10分がさらに難しくなります。
向かう電車の中でできる、小さな準備があります。
まず、今日話しかける人を一人だけ決める。幹事さんでもいいし、同期でもいいし、席の隣になりそうな先輩でもいい。「この人に一言だけ話しかけよう」という対象が決まっているだけで、最初の動き出しが変わります。
次に、帰り際の一言を声に出して練習する。「今日はありがとうございました、楽しかったです」。これを一回だけ口に出しておくと、当日の言葉がスムーズに出やすくなります。
最後に、乾杯の飲み物を決めておく。ウーロン茶かジンジャーエールかノンアルコールビールか。飲み物の注文で迷う時間が減ります。
電車の中の5分でできることだけです。それだけで、会場に着いたときの気持ちの余裕が変わります。
二次会について:参加しないといけない?
一次会が終わりそうになると、「二次会どうする?」という流れが来ることがあります。
初めての飲み会では、一次会だけで帰っても基本的に問題ありません。
一次会の最後を丁寧に締めれば、二次会は断っていい
「終電があって」「明日朝が早くて」という理由は、ほとんどの職場で通ります。
大事なのは、帰るときの一言です。「今日はありがとうございました。また誘ってください」という言葉があるかどうかで、「早く帰りたかった人」と「参加する意思はあるけど今日は難しい人」の印象がまったく変わります。
一次会に最後まで参加して、帰り際に上司や幹事にひとこと添える。これができれば、二次会を断っても印象は崩れません。
二次会の断り方も、言葉ひとつで変わる
何も言わずに消えると、「気が乗らなかったのかな」と思われることがあります。一方、「すみません、今日は失礼します。次は行きます」という一言があれば、その場の印象がしっかり締まります。
二次会の断り方については、状況ごとに使えるフレーズが複数あります。詳しくはクラスター4番の記事で整理しています。
飲み会が終わったあと、翌日にやること
飲み会の翌日にちょっとした行動があるかどうかで、その飲み会の価値が変わります。
翌日の午前中に、一言だけ声をかける
飲み会の翌日、上司や一緒に盛り上がった同僚に「昨日は楽しかったです。ありがとうございました」と一言添えるだけで、飲み会全体の印象が確定します。
飲み会の席での印象は、翌日にもう一度更新されます。席での印象が65点でも、翌日の一言があれば75点に上がる。そういう積み重なり方をします。
メッセージでも、直接でもいい。タイミングは午前中が理想ですが、昼でも十分です。
「失敗した」と感じても、相手の記憶に残っていないことがほとんど
「あの発言、まずかったかな」「あのとき沈黙して変だったかな」。飲み会のあとにそういう反省が来るのは、ごく普通のことです。
ただ、自分が「やってしまった」と思っている場面の多くは、相手の記憶にほとんど残っていません。人は自分が思っているより、他人の細かい言動を記憶していない。「あのとき気まずかったな」と翌日も引きずっているのは、だいたい自分だけです。
失敗したと感じたら、翌日の一言で上書きする。それで十分です。
次の飲み会に向けて、今回の気づきを一つだけ持ち帰る。それが、経験を少しずつ積み重ねていくことです。
「うまくやれなかった」と感じたあとに読む話
飲み会のあと、翌朝まで後悔が続くことがあります。「あの発言、変だったかな」「なんで黙ってしまったんだろう」「あのとき笑えなかった」。
そういう気持ちが来るのは、その場に真剣に向き合っていた証拠でもあります。
ただ、ひとつだけ知っておいてほしいことがあります。
あなたが「やってしまった」と思っている場面の多くは、相手の記憶にほとんど残っていません。飲み会の席では会話がどんどん流れていくので、一つの発言や沈黙が翌日まで尾を引くことは、ほとんどない。「あのとき気まずかったな」と翌日も引きずっているのは、だいたい自分だけです。
それより、翌日の朝に上司や一緒に話した先輩に「昨日は楽しかったです、ありがとうございました」と一言だけ伝える。それが、飲み会全体の印象を上書きする最も確実な方法です。
反省があるなら、行動で上書きする。 それで十分です。
よくある疑問(FAQ)
Q1. 飲み会でどんな話題を振ればいいかわかりません
無難に使いやすい話題は「食べ物・お店・休日の過ごし方・最近の仕事の話」あたりです。ただ、自分から話題を作ろうとしなくていい場合も多い。相手が何かを話したときに「それ、詳しく教えてもらえますか」と聞き返すだけで会話が続きます。質問の一言は、話題を振るより簡単で、相手にも好印象を与えます。
Q2. 上司の話が長くて正直飽きてきたとき、どうすればいいですか
顔を向けて、うなずきを続けることです。途中から内容が頭に入らなくなっても、聞いている姿勢さえ維持できれば「ちゃんと聞いてくれている人」として伝わります。「なるほど」「そうなんですね」とたまに短い言葉を挟むだけで十分です。相槌のバリエーションを少し持っておくと、単調にならずに聞ける時間が伸びます。
Q3. お酒を飲めないことを最初から言うべきですか
幹事や仲のいい同期に事前に伝えておくのが一番楽です。全員に宣言する必要はなく、「ソフトドリンク中心になると思います」と一言だけでいい。乾杯のタイミングで「ウーロン茶でご一緒します!」と明るく言えれば、それ以上説明しなくていい場合がほとんどです。お酒を断る具体的な場面ごとの対応は、1番の「お酒の断り方」記事でまとめています。
まとめ:今日の飲み会で、帰り際の一言だけ決めておく
初めての飲み会で完璧にやれる人はいません。多少ぎこちなくても、少し沈黙があっても、それで関係が崩れるほど職場の人たちはシビアではありません。
ただ、「これだけ知っておけば防げた」という失敗はあります。スマホを触りすぎない。席に勝手に座らない。帰り際に一言伝える。この3つだけ意識できれば、初めての飲み会の8割は問題なく乗り切れます。
今日できることはひとつだけ。今夜の飲み会で、帰り際の一言を今のうちに決めておくこと。
「今日はありがとうございました。楽しかったです」。それだけ準備できていれば、今夜に向かう気持ちが少し変わります。
うまくやろうとしなくていい。ただそこにいて、帰り際だけしっかり締める。完璧にやれなくていい、ただ丁寧に帰る。それが、初めての飲み会での最善です。
飲み会は、あなたを評価するためにある場ではありません。職場の人たちをほんの少し近くに感じられる機会です。お酒を飲むかどうか、うまく話せるかどうかより、「ここに来てよかった」と自分が感じられるかどうかの方が、ずっと大事なことだと思います。今夜の飲み会が、その一歩になりますように。





