年末になると、少しだけ静かな時間が増えます。
暖房の音がして、夜が長くて、スマホを置いた瞬間に思う。
「今年、何があったんだっけ」
「来年こそ変わりたいのに、何を変えればいいんだろう」
振り返りたい気持ちはあるのに、頭の中はモヤモヤして、
結局いつもの動画やSNSに逃げて終わる。
そしてまた、少しだけ自分にがっかりする。
でも、ここで一つ言い切ります。
年末の見直しは、才能ではなく質問の順番で決まります。
答えを出そうとするから苦しくなる。
問いの順番を整えるだけで、人生は意外と静かに整い始めます。
この記事は「正しい答え」を作る記事ではありません。
あなたの中にあるものを、質問で拾い上げて、来年の方向を見つけるための質問リストです。
まずは短時間で回せるように、使い方から置きます。
この記事の使い方|15分で人生を見直すための3ルール
ルールは3つだけです。
1)直感で答える(文章じゃなくてOK)
きれいに書こうとすると止まります。
単語1つ、短いメモで十分です。
2)書けない質問が出たら、そこが核心
書けないのは失敗ではありません。
そこは疲れているか、怖いか、まだ言葉になっていないだけです。
3)最後に「3つだけ」選ぶ
全部を変えようとすると何も変わりません。
最後は、来年に持っていくものを3つだけにします。
準備はこれで終わりです。
次に、順番の話をします。
まず結論|年末の見直しは「質問の順番」で決まる
振り返りがうまくいかない一番の理由は、
いきなり来年の目標を作ろうとすることです。
目標は最後に作るものです。
その前に、心と現実を一度整えないと、目標は空回りします。
年末に人生を見直す順番は、基本これです。
感情 → 事実 → 価値観 → 行動
この順番が整うと、来年の方向性が自然に浮かびます。
逆に、感情や事実がぐちゃぐちゃなまま目標を立てると、
「よく分からない不安」だけが残ります。
だから、年末は答えより先に問いを整えます。
15分でできる「年末見直し」手順(保存用)
ここからは、最短15分で回せる手順です。
紙でもスマホのメモでも、どちらでもOKです。
Step1|感情の棚卸し(3分)
・今年いちばんホッとした瞬間は?
・今年いちばん胸がざわついた出来事は?
・今の自分に足りないのは、休息?刺激?承認?自由?
Step2|事実の棚卸し(4分)
・今年やり切ったことは?(小さくてOK)
・今年、増えたものは?(習慣/負担/人間関係)
・今年、時間を一番吸ったものは?
Step3|価値観の棚卸し(5分)
・今年いちばん大切にしたかったことは何?守れた?
・何に怒り、何に泣いた?(価値観が出ます)
・来年、絶対に失いたくないものは?
Step4|来年の一歩(3分)
・来年、増やしたいものは?
・来年、減らしたいものは?
・来年、守りたい習慣は?
→最後に「3つだけ」選んで終わり
たったこれだけで、年末の見直しは形になります。
次の見出しから、ここで使った質問をカテゴリ別に増やして、
より深く人生を棚卸しできる「質問リスト保存版」を出していきます。
目次
質問リストA|今年の感情を見つける(まず「心のログ」を回収する)
年末の振り返りで一番詰まりやすいのは、事実から入ろうとすることです。
事実は意外と出てこない。写真やカレンダーがないと、記憶が薄い。
でも感情は、残っています。
胸の奥に温度として残っている。
だから最初は、今年の感情を拾います。
きれいな答えはいりません。
「思い出せない」も答えです。
1)今年いちばんホッとした瞬間は?
・いつ、どこで、何が終わった時でしたか
・その時、体はどうなりましたか(肩が落ちた、息が抜けた、など)
2)今年いちばん胸がざわついた出来事は?
・ざわつきの種類はどれに近い?(怖い/悔しい/寂しい/怒り)
・そのざわつきは「何を守りたかった」サインですか
3)今年いちばん嬉しかった小さなことは?
大きい成功じゃなくて大丈夫です。
・コンビニで買ったものが美味しかった
・誰かの一言で救われた
・帰り道が少しだけ軽かった
小さな喜びは、来年の方向のヒントになります。
4)今年いちばん傷ついた言葉/場面は?
答えたくなければ飛ばしてOKです。
ただ、もし書けるなら一行だけ。
・何を言われた/何をされた
・それは「自分の何」を否定された気がしましたか
5)今年「無理してるな」と感じた場面は?
・どこで無理をしていましたか(職場/家庭/人間関係/自分の中)
・無理をしていた時、体に出たサインは?(眠れない、息が浅い、など)
6)今年「本当はやりたくなかったのに、やっていたこと」は?
ここは、来年の減らすに直結します。
・義務感で続けていたこと
・断れずに引き受けていたこと
・惰性でやっていたこと
7)今年「もう少しだけ優しくしてほしかった自分」はどこにいた?
・いつの自分が、一番疲れていましたか
・その自分に、どんな一言をかけますか
8)今年の自分を一言で表すなら?(比喩でもOK)
例、
・ずっと雨の中を歩いていた
・火が消えそうだった
・薄明かりが見えてきた
・静かに耐えていた
この一言が、来年のテーマになりやすいです。
9)今年、心が一番軽かった「場所」や「時間帯」は?
・朝の散歩
・夜の風呂
・電車の中の音楽
・休日のカフェ
軽い場所は、回復の設計図になります。
10)今この瞬間、心の中に一番ある感情は?
・焦り/疲れ/安心/虚しさ/期待/怖さ
名前をつけるだけで、脳は少し落ち着きます。
――ここまでで十分です。
感情が拾えると、次に事実の棚卸しが楽になります。
なぜなら、感情が「記憶のフック」になるからです。
質問リストB|事実の棚卸し(今年、何が起きたかを「現実」で拾う)
感情が少し拾えたら、次は事実です。
ここで大事なのは、出来事の派手さではありません。
「今年の現実は、どう動いたか」
これを拾えれば十分です。
思い出せない場合は、次の補助を使ってください。
・スマホの写真(直近3か月だけでもOK)
・カレンダー/スケジュール帳
・購入履歴(Amazon、コンビニ、サブスク)
・LINEのトーク(よく話した相手=今年の中心)
1)今年やり切ったことは?(小さくてOK)
派手な成果じゃなくていいです。
・休まず出勤した
・家のことを回した
・一つの案件を終えた
・人間関係を守った
「やり切った」は、あなたの強さのログです。
2)今年、始めたことは?(習慣でも環境でも)
・新しく始めた勉強/運動/発信
・使い始めた道具(手帳、アプリ、ガジェット)
・生活リズムの変化
始めたものは、来年の継続候補です。
3)今年、やめたこと/手放したことは?
・やめた習慣
・距離を置いた人間関係
・やめた仕事のやり方
手放しは、弱さではなく整理です。
むしろ人生が前に進む時は、先に余白ができます。
4)今年、増えたものは?(良い増加/悪い増加)
増えたものは、あなたの生活を形づくります。
・増えた負担
・増えたタスク
・増えた人付き合い
・増えた自由時間
増え方を見れば、来年の調整点が見えます。
5)今年、失ったものは?(時間・体力・自信・関係)
重ければ飛ばしてOKです。
ただ「失った」と感じるものは、来年の回復テーマになりやすいです。
・時間
・体力
・自信
・安心感
・人との距離
6)今年、いちばん時間を吸ったものは?
ここは超重要です。
時間泥棒を責めるためではなく、来年の設計に使います。
・仕事のどの工程?
・人間関係?
・SNS?動画?ゲーム?
・「考えごと」そのもの?
時間を吸ったもの=改善ポイントです。
7)今年、避けてきた課題は何?
課題は、悪者ではありません。
避けている間に重くなるだけです。
・ずっと先延ばしにしていること
・言いにくくて言っていないこと
・向き合うのが怖いテーマ
書けたら一行で十分。
「課題を言語化できた」だけで、半分進んでいます。
8)今年、いちばんお金を使ったカテゴリは?
お金は価値観の痕跡です。
・生活必需
・娯楽
・学び
・健康
・人付き合い
「どこに投資したか」で、今年の軸が見えます。
9)今年、環境が変わった点は?(仕事/住まい/役割)
・部署や仕事内容
・通勤、働き方
・家族の状況
・任される役割
環境変化は、しんどさの原因にも、成長の原因にもなります。
10)今年の「象徴的な出来事」を3つ挙げるなら?
どれも小さくてOKです。
・引っ越した
・転職を考えた
・体調を崩した
・大事な人と話した
3つ選ぶと、今年の物語が輪郭を持ちます。
事実が拾えると、次に「価値観」が立ち上がります。
なぜなら、価値観は出来事への反応として見つかるからです。
質問リストC|価値観と優先順位(来年の軸を見つける)
事実を並べただけだと、「今年はこうだった」で終わります。
人生の見直しとして効くのは、その次です。
「自分は、何を大切にしたいのか」
「何が削れると、しんどくなるのか」
価値観は、頭で作るものではなく、
怒りや涙、ざわつきや安堵の中から浮かびます。
ここは、全部に答えなくてOKです。
刺さったものだけで十分です。
1)今年、一番大切にしたかったものは何?守れた?
・健康/家族/自由時間/成長/お金/人間関係/安心感
守れなかったなら、それは「来年の回復ポイント」です。
2)今年、何に怒った?何に悲しくなった?
感情は価値観の反転写しです。
・怒り=「本当は守りたいルール」
・悲しみ=「本当は欲しかったもの」
一行でいいので、書けたら強いです。
3)今年、いちばん我慢したのは何?
・言いたいことを飲み込んだ
・休みたいのに休めなかった
・断りたかったのに断れなかった
我慢は「境界線が薄い場所」を教えてくれます。
4)来年、絶対に失いたくないものは?
失いたくないものは、優先順位のトップです。
・睡眠
・心の余白
・大切な人との時間
・自分の誇り
・静かな時間
ここが決まると、来年の判断が速くなります。
5)「これをやってる自分が好き」な行為は?
努力ではなく、自己肯定感が増える行為を拾います。
・整える
・書く
・学ぶ
・運動する
・人に優しくする
好きな自分は、来年の継続装置になります。
6)「やってるのに、心が死ぬ行為」は何?
逆に、やるほど削れるもの。
・無理な愛想
・終わらない残業
・意味のない会議
・惰性のSNS
ここは、来年の「減らす」に直結します。
7)いい人をやめたら、何が残る?
少し鋭い質問ですが、年末には効きます。
「いい人」を続けることが正解ではなく、
いい人であるために、何を捨てているかを見るための問いです。
・睡眠
・自由時間
・本音
・挑戦
残ったものが、本当のあなたの軸です。
8)本当は、誰にどう見られたい?
綺麗な答えじゃなくていいです。
・尊重されたい
・安心できる人だと思われたい
・仕事ができると言われたい
・魅力的だと思われたい
「承認欲求」ではなく、願いとして書くと整理できます。
9)来年、増やしたいのは「成果」?「余白」?
この二択は分かりやすいです。
・成果を増やしたいなら、何を捨てる必要がある?
・余白を増やしたいなら、何を守る必要がある?
どちらも正解です。選ぶだけで方向が決まります。
10)来年の自分に、今年の自分は何を渡したい?
答えは短いほど強いです。
・休む力
・断る勇気
・続ける仕組み
・小さな挑戦
・優しい自己理解
「渡したいもの=来年のテーマ」になりやすいです。
書けない時の逃げ道(ここだけ覚えておけばOK)
価値観の問いは、書けないことがあります。
それはあなたが浅いからではなく、今が疲れているだけです。
書けない時は、次のどれかでOKです。
・単語1つだけ書く
・「分からない」と書く
・「怖い」と書く
・明日に回す(年末中に1回戻れば勝ち)
ここまでで、あなたの中に「来年の軸の候補」が出てきます。
次の見出しでは、その軸を人間関係に落としていきます。
質問リストD|人間関係の棚卸し(回復する人・削れる場を見つける)
人間関係は、正しさで整理すると苦しくなります。
年末にやるべきなのは、善悪の判断ではなく、影響の整理です。
・この人と会うと回復する
・この場に行くと削れる
・この距離感だとちょうどいい
それが分かるだけで、来年の生活はかなり楽になります。
そしてもう一つ。
「頼れない」ことがしんどさを増幅する場合もあります。
ここも責めずに扱います。
1)会うと回復する人は誰?(最大3人)
・話した後に呼吸が深くなる人
・自分を飾らなくても大丈夫な人
・会った帰り道が軽くなる人
名前が書けないなら、属性でもOKです(学生時代の友人、同僚の○○さん、家族など)。
2)会うと削れる人/場はどこ?(悪者探しをしない)
削れる理由は「相性」か「距離感」か「役割」です。
・気を遣いすぎる
・否定される感じがする
・比較される
・愚痴の処理係になる
・自分が小さくなる
削れる=あなたが弱い、ではなく、環境の摩擦です。
3)今年、一番「我慢して笑った」のはどこ?
この質問は少し刺さります。
でも、来年の回復に直結します。
・職場の飲み会
・親戚の集まり
・SNSの交流
我慢して笑う場所は、距離感の調整が必要な場所です。
4)今年、誰に感謝したい?(伝えなくてもいい)
感謝は、あなたの価値観が出ます。
・支えてくれた
・見てくれた
・許してくれた
・一緒に笑ってくれた
伝えなくてもいい。書くだけで心が少し整います。
5)来年、距離を置きたい関係は?(やり方も一緒に考える)
距離を置く=切る、ではありません。
やり方はいくつもあります。
・会う頻度を減らす
・返信速度を落とす
・会う場を限定する
・話題を限定する
関係を壊さずに距離を取るは、立派な技術です。
6)来年、近づきたい関係は?(育てたい縁)
距離を置く質問のあとに、必ずこれを置きます。
人生は削るだけだと寂しくなるからです。
・もっと会いたい人
・もっと話したい人
・応援したい人
「育てたい縁」は、来年の幸福度に効きます。
7)頼れる相手がいるとしたら誰?(一人に全部はやめる)
頼るのが苦手な人ほど、ここが重要です。
ポイントは、一人に全部頼らないこと。
・仕事の相談は同僚
・生活の相談は家族
・心の相談は友人
・専門の相談は専門家
分散して頼るだけで、孤立が減ります。
8)「言えなかった本音」がある相手は誰?
ここは書けなければ飛ばしてOKです。
ただ、もし書けたら一行だけ。
本音が言えない関係は、あなたのエネルギーを奪います。
来年は「本音を言う」より先に「安全な距離」を作るほうが現実的です。
9)来年の自分のために、誰といる時間を増やしたい?
人間関係は、未来の自分への投資です。
増やしたいのは「回復する時間」です。
予定を増やすより、回復の人を増やす。
10)最後に:今年の人間関係で一番学んだことは?
・距離が近すぎると苦しくなる
・断れないと役割が固定される
・優しさにも限界がある
学びは、来年の境界線になります。
ここまでで、人間関係の整理ができました。
次の見出しでは、ここまでの棚卸しを「仕事と生活」に落とし込みます。
質問リストE|仕事と生活の設計(しんどさを減らし、回復を増やす設計図)
人生を見直すとき、仕事と生活は切り離せません。
なぜなら多くの人にとって、消耗の大半はここに集まるからです。
年末の時点でいちばん大切なのは、
「来年の自分が壊れない設計」にしておくことです。
目標を立てる前に、まず耐えられる土台を作ります。
ここも、全部に答えなくてOK。刺さる質問だけで十分です。
1)今年の仕事のしんどさは、どのタイプが強かった?
・終わりが見えない(コントロール感の喪失)
・ミスや評価が怖い(評価不安)
・役割が多すぎる(なんでも屋)
・気遣いで削れる(感情労働)
・意味が消える(価値観の不一致)
・回復が足りない(睡眠・休息)
・誰にも言えない(孤立)
→1つだけ選ぶと、来年の改善点が決まります。
2)来年も今の働き方のままだと、何が一番壊れそう?
少し怖い質問ですが、ここが未来予測です。
・睡眠
・体力
・心の余白
・人間関係
・健康
壊れそうなものは、守る対象です。
3)仕事の中で「やらなくていいのにやっていたこと」は何?
ここは、来年の減らすに直結します。
・意味の薄い会議
・過剰な報告
・自分が抱えなくていい調整
・完璧を目指しすぎた仕上げ
「減らす」が増えると、人生は回復します。
4)逆に、仕事で「これだけは残したい良さ」は何?
仕事を全否定すると、来年が不安になります。
だから、残したい良さを拾います。
・学びがある
・人が好き
・手応えがある
・成長できる
・生活が安定する
残したい要素が、次の選択肢(異動・調整・転職)の判断軸になります。
5)生活の回復を邪魔しているものは何?
仕事以外にも、回復を邪魔するものがあります。
・夜更かしのループ
・寝る直前のスマホ
・休日の予定詰め込み
・部屋の散らかり
・食事が適当になる
邪魔しているものは、意志ではなく仕組みで減らすのが正解です。
6)理想の1日のテンポは?(時間割ではなく呼吸で考える)
「何時に何をする」より、体が楽になるリズムを考えます。
・朝は静かに始めたい/勢いで始めたい
・昼は短い休憩が必要/集中して終わらせたい
・夜は回復の時間が必要/創作の時間がほしい
理想のテンポが分かると、生活設計が現実になります。
7)来年、最低限守りたい回復ルールは?(1つでOK)
例、
・起きる時間だけ固定する
・寝る前30分だけスマホを見ない
・週1回は予定を入れない
・帰宅後に5分横になる
この最低限が、来年の自分を守ります。
8)来年、仕事で「境界線」を引きたい場面はどこ?
境界線は、断るためではなく守るためにあります。
・急な依頼
・時間外の連絡
・抱え込み
・謝りすぎ
「どこで線を引くか」を決めるだけで、舐められにくさも上がります。
9)来年、生活に増やしたいものは「余白」?「挑戦」?
二択にすると決めやすいです。
・余白を増やすなら、何を減らす?
・挑戦を増やすなら、何を守る?
増やしたいものが決まれば、やることは自然に絞られます。
10)最後に、来年の自分が「これだけは感謝する」準備は何?
・休む仕組みを作った
・手帳で予定を整えた
・断るフレーズを持った
・相談先を1つ作った
未来の自分が助かるものだけが、準備です。
ここまでで、「仕事と生活」の設計図が見えてきました。
次の見出しでは、いよいよ来年の方向性を3つに絞ります。
質問リストF|来年の方向性(3つだけ選ぶ。全部は選ばない)
ここまでで、感情・事実・価値観・人間関係・仕事と生活を棚卸ししました。
情報は揃っています。
ここから先でやりがちなのが、
「よし、全部変えるぞ」と気合を入れて、1月中に燃え尽きることです。
だから、最後はルールを置きます。
来年に持っていくのは、3つだけ。
少なさは妥協ではなく、成功率です。
少ないほど続きます。続くほど人生が変わります。
1)来年、増やしたいものは?(1つ)
増やしたいのは、予定や努力ではありません。
あなたが生きやすくなる要素です。
例、
・睡眠
・余白
・学び
・運動
・発信
・人と会う時間
・一人の時間
・収入
・静けさ
→1語でOKです。
2)来年、減らしたいものは?(1つ)
減らすは、自己否定ではありません。回復です。
例、
・無理な愛想
・完璧主義
・先延ばし
・惰性のSNS
・終わらない残業
・抱え込み
・比較
→これも1語でOK。
3)来年、守りたい習慣は?(1つ)
守る習慣は、小さくて確実にできるものが勝ちます。
例、
・起きる時間を固定
・夜は照明を落とす
・毎日5分だけ書く
・週1回だけ歩く
・帰宅後に5分横になる
→大きい目標より、続く小ささ。
「3つ」を現実に落とすための追加質問(5つだけ)
方向性が決まっても、現実に落ちないと消えます。
そこで、5つだけ確認します。
4)それを増やすために、何を1つ減らす?
増やすには、必ず空きが必要です。
空きを作らずに足すと、燃え尽きます。
5)それを減らすために、どこで境界線を引く?
減らすは気合ではなく境界線です。
・即答しない
・期限を確認する
・優先順位を相手に返す
このどれか一つで十分です。
6)守りたい習慣は、いつやる?(時間帯だけ決める)
曜日まで決めなくていい。
まずは「朝」「昼」「夜」だけでOKです。
時間帯が決まると、習慣は定着しやすいです。
7)続けるために、ハードルをどう下げる?
・2分で終わる形にする
・道具を出しっぱなしにする
・やる場所を固定する
意志を使わない設計が、勝ちます。
8)来年の自分に、最初に渡す1歩目は何?
最後はこれです。
増やす/減らす/守る、のうち どれか1つだけ でいい。
今日か明日にできる形で、1歩目を書きます。
例:
・今夜、寝る前にスマホを置く
・明日、5分だけ書く
・来週、予定を1つ減らす
・相談先を1つメモする
ここまでの小まとめ
年末の見直しは、人生をジャッジする作業ではありません。
来年の自分が少し楽になるように、荷物を整える作業です。
次の見出しでは、書けなかった時の扱い方をもう少し丁寧にします。
「書けない=失敗」ではなく「書けない=核心」という話を、使える形にします。
書けない質問が出た時の対処|書けない=失敗ではなく、核心です
質問に答えていると、必ず出てきます。
手が止まる質問。
言葉が出ない質問。
胸の奥が少し重くなる質問。
ここで多くの人が、こう思います。
「自分はダメだ」
「考えが浅い」
「ちゃんと振り返れない」
でも逆です。
書けないのは、あなたが弱いからではありません。
書けない質問は、だいたい核心です。
核心には、理由があります。
書けない理由は、だいたいこの4つ
1)疲れている(脳の燃料が足りない)
年末は、体力が落ちています。
特に仕事が忙しかった人ほど、思考力が残っていない。
この場合、答えが出ないのは正常です。
対処、
・一語だけ書く(例:疲れ、怖い、モヤ)
・翌日に回す(年末中に1回戻れば勝ち)
2)答えが怖い(現実が変わりそうだから)
「距離を置きたい関係」
「本当はやりたくない仕事」
こういう問いは、答えると現実が動きます。
だから、脳が守るために止めます。
対処、
・結論を書かずに気配だけ書く
例:「違和感がある」「少し苦しい」
・答えではなく「どう感じたか」だけを書く
3)言葉になっていない(感情が先で、言語が後)
感情はあるのに、言葉が追いつかない。
これは、むしろ健全です。
心は、言語より先に動きます。
対処、
・比喩で書く(例:霧、重い毛布、乾いた砂)
・体の反応を書く(例:息が浅い、肩が固い)
4)優しすぎる(自分の本音より、周りを守ってしまう)
「嫌だ」と書くことが、誰かを否定する気がする。
その優しさで、本音が閉じ込められます。
対処、
・主語を「自分」に戻す
×「あの人が悪い」
○「自分はこう感じた」
・ジャッジではなく影響を書く
例:「会うと回復しない」「帰り道に疲れる」
書けない時に効く救済ルール(これだけ覚えればOK)
救済ルール1:空欄のままでも、前に進んでいい
振り返りは試験ではありません。
空欄があっても、続けた人が勝ちます。
救済ルール2:答えは「仮」でいい
「今の時点での仮」を置く。
来年、修正すればいい。
人生はアップデート前提です。
救済ルール3:「一語」でいい
丁寧な文章はいりません。
一語でいいから、心にラベルを貼る。
それだけで脳は整理されます。
救済ルール4:今日は回復に切り替えていい
書けない日があります。
そんな日は、問いより回復が先です。
白湯、風呂、照明を落とす。
それも立派な見直しです。
続けるための小さなコツ(来年の自分が助かる)
1日で終わらせなくていい
年末の見直しは、まとめてやると重くなります。
おすすめは「3日に分ける」ことです。
・1日目:感情
・2日目:事実
・3日目:価値観と来年の3つ
手帳かメモに「質問の置き場所」を作る
質問が散ると、戻れません。
1ページだけ質問専用の場所を作ると続きます。
ここまでで、質問リストは回せる状態になりました。
次の見出しでは、読者が保存しやすいように
コピペ用「質問リストまとめ(短縮10問+厳選30問)」 を置きます。
コピペ用|年末に人生を見直す質問リストまとめ(短縮10問+厳選30問)
ここからは、保存して使えるように「コピペ用」にまとめます。
時間がない人は短縮10問だけでOK。
余裕がある人は厳選30問で、人生の棚卸しを深くできます。
15分で終わる「短縮10問」(これだけでも十分)
1)今年いちばんホッとした瞬間は?
2)今年いちばん胸がざわついた出来事は?
3)今年やり切ったことは?(小さくてOK)
4)今年、時間を一番吸ったものは?
5)今年、無理してるなと感じた場面は?
6)今年、一番大切にしたかったものは何?守れた?
7)来年、絶対に失いたくないものは?
8)会うと回復する人は誰?(最大3人)
9)来年、増やしたいものは?(1つ)
10)来年、減らしたいものは?(1つ)
→最後に「守りたい習慣」を1つだけ足せたら完璧です。
────────────────
じっくり棚卸し「厳選30問」(保存版)
────────────────
【A|感情】
1)今年いちばんホッとした瞬間は?
2)今年いちばん胸がざわついた出来事は?
3)今年いちばん嬉しかった小さなことは?
4)今年いちばん傷ついた言葉/場面は?
5)今年「無理してるな」と感じた場面は?
6)今年「本当はやりたくなかったのに、やっていたこと」は?
7)今年の自分を一言で表すなら?(比喩でもOK)
8)心が一番軽かった「場所」や「時間帯」は?
【B|事実】
9)今年やり切ったことは?(小さくてOK)
10)今年、始めたことは?(習慣でも環境でも)
11)今年、やめたこと/手放したことは?
12)今年、増えたものは?(良い増加/悪い増加)
13)今年、失ったものは?(時間・体力・自信・関係)
14)今年、いちばん時間を吸ったものは?
15)今年、避けてきた課題は何?
16)今年の「象徴的な出来事」を3つ挙げるなら?
【C|価値観と優先順位】
17)今年、一番大切にしたかったものは何?守れた?
18)今年、何に怒った?何に悲しくなった?
19)今年、一番我慢したのは何?
20)来年、絶対に失いたくないものは?
21)「これをやってる自分が好き」な行為は?
22)「やってるのに、心が死ぬ行為」は何?
23)いい人をやめたら、何が残る?
24)本当は、誰にどう見られたい?
【D|人間関係】
25)会うと回復する人は誰?(最大3人)
26)会うと削れる人/場はどこ?(悪者探しをしない)
27)今年、誰に感謝したい?(伝えなくてもOK)
28)来年、距離を置きたい関係は?(頻度を減らすでもOK)
29)来年、近づきたい関係は?(育てたい縁)
【E|来年の設計(方向性)】
30)来年、増やしたいものは?(1つ)
【+α追加オプション】
31)来年、減らしたいものは?(1つ)
32)来年、守りたい習慣は?(1つ)
33)それを増やすために、何を1つ減らす?
34)それを減らすために、どこで境界線を引く?
35)守りたい習慣は、いつやる?(朝/昼/夜だけ)
36)来年の一歩目は何?(今日か明日にできる形)
最後に、3つだけ選ぶ(これが来年の芯)
・来年増やす:____(1つ)
・来年減らす:____(1つ)
・来年守る習慣:____(1つ)
ここまで埋まったら、年末の見直しは完成です。
次の見出しでは、この質問を「行動」に落とすコツとして、
次の一歩(来年こそ変わりたい人がやるべき準備へ接続) を書きます。
次の一歩|質問に答えた後、行動に落とす方法(来年こそ変わりたい人へ)
質問に答えると、気持ちは少し整います。
でもここで止まると、年明けにまた同じ場所へ戻ります。
年末の見直しを「人生が動く見直し」にするには、
答えを行動に変える変換ルールが必要です。
難しいことはしません。
やるのは3ステップだけです。
ステップ1|答えを「増やす/減らす/守る」に翻訳する
質問の答えは、だいたいこの3つに分類できます。
・増やしたい(余白、睡眠、学び、挑戦、発信、回復する人)
・減らしたい(抱え込み、完璧主義、惰性SNS、残業、無理な愛想)
・守りたい(小さな習慣、回復の時間、境界線)
「来年の3つ」が決まっているなら、すでに完成に近いです。
あとは、現実に落とすだけ。
ステップ2|行動は「2分版」にしておく
続かない人の共通点は、最初から大きくやることです。
続く人の共通点は、最小の形を持っていることです。
例、
・書く → 2分だけメモする
・運動 → 玄関まで行く
・早寝 → 照明を落とす
・SNS減らす → ホーム画面から消す
・抱え込みを減らす → 即答しない
2分版は弱く見えますが、強いです。
年末年始のテンションに頼らず、平日に残ります。
ステップ3|来年の自分を守る「準備」を先に終わらせる
年末は、行動を頑張るより「準備」を終わらせる時期です。
準備が終わると、年明けは自然に動けます。
準備の例、
・やる場所を決める(机、ベッド横、カフェ)
・道具を置く(手帳、ペン、メモ、アプリ)
・やらないものを決める(予定を詰めない日)
・境界線フレーズを用意する(「確認して返します」)
・相談先を1つメモする(分散して頼る)
「来年こそ変わりたい」と思う人ほど、
年明けに燃え尽きやすい。
だから年末に、燃え尽きないための仕組みを作ります。
ここで一度チェック|あなたはどっちが必要?
A:やる気はあるけど続かない
→準備(環境と仕組み)が必要です。
B:何をしたいかが決まらない
→質問(価値観の言語化)が必要です。
どちらでも、今ここまで読めている時点で前進しています。
最後に、今日できる一歩(3択)
1)「来年増やす」ために、減らすものを1つ決める
2)守りたい習慣の2分版を作る
3)相談先を1つだけメモする(送らなくていい)
年末の見直しは、人生を裁く時間ではありません。
来年のあなたが少し楽になるように、荷物を整える時間です。
次の見出しでは、よくある疑問に短く答えるFAQを置きます。
保存用に、読みやすくまとめます。
FAQ|年末の人生見直し質問リスト:よくある質問
Q1:年末の振り返りは、いつやるのが一番いい?
A:おすすめは「年末の夜」か「元日の午前」です。予定が詰まる前の静かな時間が向いています。まとまった時間が取れない場合は、3日に分けて(感情→事実→価値観)やるだけでも十分です。
Q2:質問に答えようとしても、何も出てきません
A:出てこないのは珍しくありません。疲れているか、言葉になる前の感情があるだけです。
対処は3つです。
・一語だけ書く(例:疲れ、焦り、霧)
・体の反応を書く(息が浅い、肩が重い)
・翌日に回す(年末中に1回戻ればOK)
Q3:ネガティブなことばかり書いてしまいそうで怖いです
A:怖いのは正常です。年末は心の在庫が見えやすい時期だからです。
コツは「ジャッジ」ではなく「影響」を書くこと。
×あの人が悪い → ○会うと回復しない
×自分がダメ → ○睡眠が削れている
この言い換えだけで、心の負担が減ります。
Q4:来年の目標が決まりません
A:目標が決まらない時は、いきなりやることを決めようとしています。
先に「増やす/減らす/守る」の3つだけ決めてください。
・増やす(余白、睡眠、学びなど)
・減らす(抱え込み、惰性SNSなど)
・守る(小さな習慣)
この3つが決まると、目標は後から自然に決まります。
Q5:一人でやるのがしんどいです
A:一人で抱えると重くなる問いもあります。
誰かに全部話す必要はなく、「分散して頼る」のが現実的です。
・仕事の相談:同僚/上司以外の窓口
・心の相談:友人/家族
・専門の相談:産業医/相談窓口
相談先を1つメモするだけでも孤立が減ります。
Q6:書いたのに、行動が変わりません
A:行動が変わらないのは、準備が足りないだけです。
「2分版」を作ってください。
書く→2分メモ、運動→玄関まで、早寝→照明を落とす。
小さすぎる行動が、年明けの平日に残ります。
まとめ|年末の見直しは「答え」ではなく「方向」を取り戻す時間
年末に人生を見直したくなるのは、弱いからではありません。
一年を走ったぶん、心が「このままでいい?」と問いを出しているだけです。
この記事でやったことは、難しい自己分析ではありません。
感情 → 事実 → 価値観 → 行動
この順番で、人生の散らばりを整えただけです。
年末の見直しで大事なのは、完璧な答えを出すことではなく、
来年の自分が少し楽になる方向を取り戻すことです。
もし最後に迷ったら、ここだけ覚えておいてください。
・来年に持っていくのは3つだけ
増やす(1つ)
減らす(1つ)
守る習慣(1つ)
そして、行動は「2分版」にする。
意志ではなく仕組みにする。
これが、年明けに燃え尽きないコツです。
最後に問いをひとつ置きます。
来年の自分に、今年のあなたは何を渡したいですか。
その答えが一語でも出たなら、年末の見直しはもう成功です。





